EU裁判所、アップルへの1.6兆円追徴は無効と判断
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欧州委員会がアップルがアイルランドで行う事業に対してアイルランドでの税制優遇措置を受けていることについてEUの国家補助法違反として、過去の優遇税制合計額である130億ユーロを追徴したケースをEU裁判所が無効と判断しました。
アップルの取ったスキームは、ダブルアイリッシュダッチサンド(Double Irish With a Dutch Sandwich)ではありません。タックスヘイブンに利益を移転したというのはダブルアイリッシュダッチサンドと共通していますが、オランダ(ダッチ)はスキームに登場していません。
欧州委員会のプレスリリースによれば節税スキームを使うことでアップルの税負担率は2003年に1%だったのが、2014年には0.005%に低下したとのことです。
この課税勧告に対しては、トランプ政権が抗議を行ったことから、IT企業への国際課税の対立構造が国家vsIT企業からEUvsIT企業&米国政府に変化しました。
国際課税についてはOECDが中心となって国際間の調和を図ろうとしていますが、先日もフランスのデジタル課税に対して米国政府が対抗措置を取るなど足並みがそろってない状況です。ベステアー委員はこれを受けてどう対応するんだろう?
GAFAは当然としてトランプ大統領からも恐れられているとの噂もあるベステアー委員のロングインタビューはこちら。今までの競争担当に加えて今年からデジタルも担当し始めましたグイグイ来ますよ
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/010900058/新鉄の女、EU公取委員長マルガレーテベステアーには痛い黒星。が、矢継ぎ早にアップストアを攻めているし上告もするだろう。一進一退を繰り返してEU対米国ビッグテックの戦争は続くだろう。ただしブレグジットとCOVID禍による財政難で弱体化しつつあるEUに対して、世紀の株高・業績絶好調が続くFAMGAという構図はこの半年で一気に優劣が逆転した感がある。