米の新型コロナ感染者、1日当たり10万人に倍増も ファウチ氏が警告
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ここ最近は1日4万人以上のペースで感染者数が増えるアメリカ。選挙前であることが悪い方向に動く場面が散見されています。ファウチ氏は一貫して科学に真摯な態度を続けていると思います。
開発中のワクチン は治験の結果が出揃うまでは効果と安全性は未知数です。これまでに認可されたことのない新しい技術に基づく製品がワクチンレースの先頭集団ですのでその点も頭におかなければなりません。「ワクチンさえあれば!、ワクチンができる日まで耐え抜こう!」という思いを頼りにするには、感染拡大が止まらない現状を考えると望ましくないというメッセージをアメリカ全体に投げかけたいのだと思います。国全体の感染者は270万人目前です、一丸となって防止しなければいけません。
私の住むカリフォルニア州では特に南の地域での感染者数の増加が顕著で、カリフォルニア州からニューヨーク州に入った場合14日間の隔離が義務付けられる事態になりました。2ヶ月前とは状況が逆転しました。米国・ブラジルの感染者数の増加はすさまじく、米国は全体の1/4を占めるまでになっています。日経ビジュアルデータで紹介されているインフォグラフィックでそれを感じることができます。この増加から考えれば、10万人もあながち大風呂敷ともいえないでしょう。
※入れ替わるランキング 新型コロナの国別感染者を見る
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-barchart-race/
そこまでになってもなお、マスク義務化に反対の方も多いのが米国です。
※「神様に与えられた呼吸を奪うのか」、マスク義務化に断固反対のアメリカ市民
https://www.bbc.com/japanese/video-53174118
ファウチ氏の発言は、これらの危機感からと言えるでしょう。
一方、新型コロナに対するワクチンは、新規の方法で作成されています。
※【解説Q&A】世界が血眼になる「RNAワクチン」を学ぼう
https://newspicks.com/news/4863785/body/
もちろん私も効果を期待しています。
しかし確かに、有効性がどれくらいになるかは未知数ともいえます。デング熱に対するワクチンが、接種者から重症のデング患者が発生しやすいことがわかり、使用中止となったといった事例もあります。
https://www.forth.go.jp/keneki/nagoya/id/id_dengue.html
指数関数的に感染者が増えるとコントロールが難しくなります。
有効な手段が現れるまでは、現在の地道な努力が求められると思います。“There’s no guarantee.”とおっしゃった部分の翻訳かと想像されますが、これはまさにその通りで、だからこそ効果を確認をするための臨床試験を行っています。はじめから「当てになって」いたら、そもそも臨床試験を行う必要すらありません。これはいわば「当然のこと」です。
一方で、Dr. Fauciはワクチンの状況について”Cautiously optimistic”とも述べていて、感染者全体の8割や9割が回復している状況や再感染が数多く報告されているわけではない状況も考慮し、有効なワクチンができる可能性は高いともしています。
また、米国での世論調査によると、10人中最大で7人がワクチンを受けることに対して抵抗を示していると伝えられており、いざ有効なワクチンが承認を受けても、ワクチンを普及するところで大きな障壁になりうることが伝えられています。
この報道から勘違いしていただきなくないのは、仮に臨床試験が済み有効性が認められたワクチンが世に登場したら、それも「当てにならない」ではないということです。臨床試験を経て有効性と安全性が確認されれば、むしろ皆に接種をご協力いただかなければならないフェーズとなります。