米紙ＮＹＴ、アップルニュースとの提携打ち切り

［２９日　ロイター］ - 米紙ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）<NYT.N>は２９日、ニュースアプリ「アップルニュース」との提携を、同日付で打ち切ると発表した。同紙は現在、電子版の有料購読モデルへと軸足を移している。

ＮＹＴは、出版元はコンテンツに対して公正な対価を得るべきだと説明。有料購読者と直接関係を結ぶ同社の戦略に、アップルニュースは合致しないとした。

ＮＹＴは現在、４００万人強の有料購読者を抱えており、直近の四半期には４６万８０００人増と記録的な伸びを見せた。

同紙はここ数年、印刷版事業の損失を食い止め、広告収入への依存を減らすため、電子版に力を入れている。

コメント

注目のコメント

• 堀内 隆

  朝日新聞社　メディアデザインセンター 部長

  ・2020年06月30日

  撤退を伝えるNYT記事のサブタイトルがすべてを物語っています。
  ”The Times said Apple News did not align with its strategy of building direct relationships with paying readers”
  コンテンツにお金を払ってくれる読者と直接つながるビジネスモデルを構築できたメディアとしては、アップルニュースに記事提供を続ける意味はないとの判断でしょう。
  プラットフォーム経由の配信はコンテンツの拡散には非常に大きな意味を持ちますが、プラットフォーム上で読む人には「それがどの媒体の記事か」はあまり意識されにくい面があります。媒体へのロイヤリティーが高い読者がプラットフォームを介さず直接流入することでサイトグロースもマネタイズも支えられているＮＹＴのモデルはデジタルメディアのビジネスモデルの理想型に近いと言えます。
• 小島 俊一

  中小企業活性化コンサルタント 元気ファクトリー(株) 代表取締役

  ・2020年06月30日

  コンテンツに自信があるからNYTは決断できました。
  日本にも、そんなコンテンツに自信があるメディアが出てくる事を願うばかりです。
• 碓氷 早矢手

  講談社 宣伝統括部担当部長

  ・2020年06月30日

  顧客と直接つながることは、メディアでもメーカーでも共通のD2C的なトレンド。
  成功するD2Cブランドは、顧客とつながる術だけでなく、強い世界観を持っています。
  世界観がないと、顧客側につながる意味が生まれません。
  
  このトレンドにのろうとするかどうか、各社の姿勢が鮮明になり、興味深いところです。