2020/7/21

【一休 社長】ニューヨーク転勤、仕事さえできれば認められる

Sakaki Jun
一休.com
高級ホテル・旅館やレストランの予約サービスを展開する一休は1998年に設立され、この分野の草分けとして成長。競合激化などにより一時低迷するも、ロイヤルカスタマーに特化し、ユーザーファーストを徹底することで、2012年から再び右肩上がりで業績を伸ばす。
それに一役買ったのは、2012年にコンサルティング会社から派遣され同社の経営に携わり、現在社長を務める榊淳氏だ。
メガバンク時代は金融工学を駆使し、デリバティブ取引などのプライシングを担い、その後、スタンフォード大学大学院でコンピューターサイエンスを学ぶ。ボストン コンサルティング グループを経て、経営コンサルタントとして出合ったのが、一休だ。
社長業は週1日。週4日はデータサイエンティストとして、データ分析やコーディングなど社員業に従事するという変わり種。いかに同社を再成長へと導いたのか。バックグラウンドを振り返りつつ、その独自の経営スタイルを紹介する。(全7回)

毎晩喫茶店で2時間勉強

銀行に入って4年間、本当に寝る間も惜しんで勉強していました。
毎日夜9時ぐらいまで会社で仕事をして、自宅の最寄り駅である荻窪駅に着くのが夜10時くらい。そこから夜12時まで、同じ喫茶店の同じ席で、コーヒーを飲みながら、毎日デリバティブの勉強をしていました。
駅からすぐの場所にあり、いつも深夜まで開いていました。
(写真:123ducu/iStock)