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反ワクチン派はどこの国にもおり、日本では最近はとりわけHPVワクチンへの反ワクチン運動が根強く、産婦人科医として大変苦慮しています。

実のところ、自分の身を守るためだけであれば、自分がワクチンをうてばそれでいいので、どれだけ反ワクチン派がはびころうとも、
リテラシーの高いNP読者の方々は粛々と必要な予防接種をうっていただければと思います。

ただ、やはり集団免疫という意味では、国全体の接種率が70%以上となることが重要で、集団免疫が確立すると、まだ接種していない人や、なんらかの事情で接種できない人たちの感染リスクも下げることができます。

あと、記事中の、
『ワクチン支持派のフェイスブックページが伝える正確な情報は内容がほぼ同じだったのに対し、反ワクチン派のページは選挙運動のように「浮動層」のタイプごとに異なるメッセージでリーチしていた』
というのは、反ワクチン派に学ばねばならない点です。

正しいからといって、直球で発信し続けていても、一部の人にしかリーチできません。
受け手によって発信の仕方を工夫している反ワクチン派の情報戦略を手本に、むしろそれをしのぐ勢いで正しい情報を発信せねばなりません。

ただ、それを、良識あるドクターが個人で行うには限界があり、ちゃんと予算を投じて国策として行うべきと思います。
「反ワクチン」は、昔から続いてきた、不安につけ込む陰謀論と煽動の現代版です。ヨーロッパでは、ペストが流行するたびに「ユダヤ人が井戸に毒を混ぜた」という噂が広がり、各地でユダヤ人への拷問、虐殺、略奪が繰り返されました。米国の南部では、20世紀でも景気が悪くなると、「黒人が白人の少女を誘拐して暴行した」という噂が各地に広がり、リンチ殺人が繰り返されました。
 こういった陰謀論ストーリーの下手人は、20世紀の初めだと「ユダヤ人300人委員会」とかフリーメーソン、ロックフェラーでしたが、現代では、米国政府のエリートによる「ディープ・ステイト」とかビル・ゲイツです。
 こういった陰謀論や煽動を軽視できないのは、民間で多数の迫害や殺人が起きる、ということもありますが、時の政府が利用して、自分たちの利益増大を図ろうとすることすらあるためです。神聖ローマ帝国皇帝のカール4世は、ユダヤ人を大量虐殺した臣民を赦免する代わりに、ユダヤ人から略奪した財産の半分を献上させました。ナチスのように、こういう陰謀論ストーリーをフル活用して成り上がった集団もいます。
 現代でも、少なからぬ勢力が、こういう陰謀論ストーリーの政治利用をしています。
 政府や政党でいえば、イタリアの5つ星運動、「ドイツのための選択」、トランプ大統領支持層の中核の相当な部分、などですが、南アジアや中東、アフリカの政府では、より活発に見られ、大統領などが自ら、こういったストーリーを演説することはめずらしくないです。
 宗教勢力にとっては、常套手段ともいうべき言説であり、米国の福音派などだけではなく、イスラーム世界でも非常に多いです。アフガニスタンやパキスタンでは、予防接種に来た国際機関やNGOの医師、看護師をターリバーンが殺害して、民衆の喝采を受ける、といったこともよくあります。
 残念ながら、人々の不安につけ込んで、「敵」をでっち上げて煽動し、はけ口にしよう、という手法は、現代でも無くなりません。科学やジャーナリズム、教育は、本来、そういう不安と憎悪を利用しようとする試みを阻止しようとしてきたのですが、必ずしもできていないということでしょう。
人はなぜ陰謀論を信じるのか。
それは、「単純明快で分かりやすく」、「歴史の真実を知っているという優越感を抱ける」からであり、インテリほど騙されやすいのである。その点、陰謀論は疑似科学に似ている。

と、出口治明さんが、呉座 勇一著『陰謀の日本中世史 』の書評で書いていました。
陰謀は昔からあるVR。酔っている時は甘く、醒めればなかったことになる。だからなくならない。
米国で反ワクチン派がワクチン派の3倍、というのには驚きました。本当なのかどうなのか。確かに、拙速にワクチンを導入して、効果がないものであったとしたら、あるいは、副作用が起きるものであったとしたら、という懸念はあります。

反ワクチン派の影に製薬会社の熾烈な戦いがあったりして・・・。