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注目のコメント
学校の現場から生の声をお届けします。金言がちりばめられたインタビューで、人生における学習やオンラインとリアルのそれぞれの意義とは何かまで議論が及びました。
日野田先生との出会いはシンガポールでの講演会。深く、深く、惹き付けられた内容。ごくごく普通の公立学校から海外トップ大学進学を出した改革者。とはいえ、「私が改革者です」という雰囲気は全く無く、皆で一緒に教育つくりあげていくという姿勢に共感しました。
いつか、お話しを記事にしたいと思い、教育がコロナ禍による厳し状況を強いられる今こそと考え、インタビューをしました。
先生の考えは、「誰一人も取り残してはいけません」という言葉に表れていると思います。お金よりも工夫、そして何より、自分事として教育に関わることが大切。
追記:アメリカの公立学校の動画レポもあわせてご覧下さい。
【現地発】日本と大違い。米国でオンライン授業が進む理由 https://newspicks.com/live-movie/662/教室の授業も万能からは程遠いし、「万能な授業」などどこにもありません。それから、「学術的に裏打ちされた教育法」は、日本ではオンラインであれオフラインであれ欠如しています(特に大学ではむしろ少数派でしょう。それはそれで大きな問題だし、教育は長年の専門的訓練を受けたプロの職業であるべきだと思いますが)。
「教育の目的は、自律・自立した人間をつくること」というのは、古代ギリシアのプラトンや、中国の孔子の時代からいわれていたことです。これは、自ら学び続ける能力と習慣を持ち続ける人間をつくることで、できれば新しい知識を探求し続ける人間をつくるということです。ただし、自分で学び探究する人間をつくるというのは、どうしてもむずかしく、千人に一人の成功例が出ればいい方、というのは今も昔も変わりません。教育というのは、川の砂の中に砂金を探し続ける作業のようなものです。
近代になってから、教育に大きな効果があると思われるようになったのは、学校で国民的な教育が行われるようになってからです。ナポレオン麾下のフランス軍の強さ、イギリスの産業革命に人材を供給し続ける公教育システム、米国や日本の経済的成功を見て、教育は魔法の杖、あたかも万能であるかのように信じられるようになりました。
今、オンライン教育が何か画期的な教育効果があると一部で期待されているのは、近代に見られた教育万能信仰の延長で起きていることでしょう。
実のところ、近代学校教育は自ら学び探究する人間を大量につくりだせたわけではありません。古の哲学者たちの基準でいえば、粗製乱造もいいところでしょう。これをオンライン化したところで、自ら学び探究する道理はなく、せいぜい廉価版になるだけでしょう。
格差云々以前に、対面授業以上に自ら学び探究する人間をつくりだせるオンライン教育など、どこにもない、ということはいえます。オンライン教育に優位性があるとすれば、コストくらいでしょう。
もちろん、緊急時の対応として、オンライン教育への一時避難はやむをえない、という状況はあります。家庭や自治体の予算からいって、やむをえず導入、という事態もあるでしょう。
現在、オンライン教育でも対面教育でも大差ないのはどういう学生、生徒かというと、すでに自ら学べるようになっている場合ですね。日本だと、全体の1%くらいでしょうか。「オーストラリアやアメリカで昔から行われている「ラジオ授業」」
昔旺文社の大学受験ラジオ講座というものが放送されていました。他にも、NHKラジオで各種語学の授業がなされています。あれ、非常に良いコンテンツです。問題になるのは継続可能かどうか。でも、デジタルの時代なので録音されたものを聞けば良い。
「GoogleやFacebookも素敵なオフィスを持っていますよね。どちらも強力な個人が集まっていますが、仕事場という「遊びの空間」に集まってイノベーションを起こしています。」
これは完全に同意。これまで同種の発言を何度もしています。学校の価値は教育コンテンツの提供だけではないと思っています。むしろ、同期、仲間、ライバル、先輩、後輩、先生らとの出会いの場。また、全く異質な属性や背景や考え方をもつ人っ達と出会える場でもあります。1人では挫けそうなことでもみんなとやると乗り切れたり、一生の友が得られたり、全く思ってなかったコラボレーションが生まれたり。それが別の場所で提供できるなら学校はいらないと思っています。今度はそれが「新しい学校」と呼ばれるようになるだけだと思います。
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