「PCR検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題
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仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長の西村医師による情報発信記事です。西村先生から見るPCR検査の現状と見解がまとまっています。時間をとってゆっくり最後までお読みいただきたいです。PCR検査を増やすべきだという主張と比較して、考察を重ねていきましょう。内容が高度で文量も多いため、飛ばし読みをして個人の仮説や意見の部分を科学的結論と捉えないように注意なさってください。
私からは2点補足をいたします。
すべての検査には偽陰性偽陽性があります。新型コロナウイルスのPCR検査の場合は、各ステップの精度(検体のとり方/RNA抽出/RNA逆転写/PCR)の掛け算で偽陰性が、コンタミネーションなどで偽陽性が生じます。またウイルスの量は日々変動するので今日陰性でも明日は陽性となることもあります。1番の注意点は、PCR検査陰性=ウイルス保有絶対に無し とは言えないことです。
私はPCRの経験がありますし基本的な実験はできます。しかし知れば知るほど奥が深く、マスターしたとはおこがましくて言えません。そして、PCR”検査"ができるか?となるとまた別問題です。実験と検査は別物で、臨床検査技師の方々は国家資格を持った検査のプロフェッショナルです。記事の中では”検査ができる人”を育成することの難しさも語られています。PCR検査を巡る誤解と問題点について、大変分かりやすく明確なご説明をしてらっしゃいます。
「PCR検査の目的は、患者の治療、感染管理、疫学調査」
日本の新型コロナウイルス感染症による死亡者数や、超過死亡数、そして、リアルな現在の社会の状況を見れば分かるように、日本ではCT検査の高い実施状況等も併せて、重症になる方を早期に把握し、適切な医療につなげている、すなわち他国に比してPCRの検査数そのものは多くなくても、重症者を手遅れにはしていないし、本当は感染がものすごく拡大しているのに把握できていない(『感染者数をごまかしたいから、検査を増やさない』『新型コロナによる死亡者がもっとたくさんいる』)といったことはない、といえます。すなわち、検査数は多くなくても、本来の目標である「患者の治療」と「感染管理」は有効に機能しています。
PCR検査が増やせない原因を分析し、検体の採取、保管、輸送、検査各々の過程を考えてみれば、検体採取の人や場所はある程度増やせるが、最も重要な、実際に適切に検査を行える方が不足しています。精度の高い技術が求められるので、短期間で増やせるものでもありません。元々PCR検査の感度は30-70%と低い上に、検体や試薬が適切に取り扱われなければ、精度はますます下がります。
偽陰性問題に加え、陰性が今後感染しないことを意味するわけではない(抗体検査とは違う。なお、抗体があるから感染しない、移さないとも言えませんが。)ことも考えれば、陰性であることを証明したいためだけの検査に意味が無いことがお分かりいただけると思います。
ちなみに、全国民にPCR検査をすべきという意見は、人口(1.265億人)×PCR検査費用(おおよそ1.8万円)で、単純計算で2.3兆円かかります。必要性や費用対効果を考えない政策を、国民は求めますか?
PCR検査を何のために行うのか?
「限られた人材と資源と時間を、どういった目的を実現したいから、そのために、どのように振り分けるべきか」
こうした危機下であればなおのこそ、的確な優先順位付けが求められます。
https://newspicks.com/news/4886909?ref=user_5186216
https://newspicks.com/news/4874840?ref=user_5186216なぜ日本のマスコミはあんなにも検査をさせたがるのか、素朴に疑問。
やみくもに検査数増えすこと自体、誰得でもないし、
検査しまくって欧米のように医療崩壊しても誰得でもないはずなのですが。