【謎ブーム】スーパーの作業ロボに「目玉」が付いた深い理由

2020/3/10

「思いつき」が500店舗に拡散

「あれはちょっと不気味だわ」──ペンシルベニア州ハリスバーグにあるジャイアント・スーパーマーケットの店内を動き回るロボットを初めて目にしたとき、ティナ・ソルグ(55)はつぶやいた。
店の通路にこぼれた液体やゴミを見つけるようにプログラムされたこのロボットは、ソルグの目には長い首の付いたプリンターのように見えた。
「人間らしさが必要だと思ったんです」と、酒類の売り場を担当するソルグは言う。
そこでソルグはある晩、近くの雑貨店に出かけ、巨大な「目玉」を買ってきて、誰も見ていないときにロボットの「首」の最上部に貼り付けた。
ジャイアントの親会社であるアホールド・デレーズ(ほかにもストップ&ショップなど、小売りチェーンを多数保有している)の幹部は、この「目玉」を見て大いに気に入った。
いまや、同社の傘下にある全米のスーパー各店では、導入されている約500台のロボットすべてに「目玉」が装備されている。
スーパーマーケットのロボットが滑稽な目玉を獲得した経緯は、ある深刻な問いへとつながっていく──親しみやすいルックスや、愛らしい名前を持つロボットは、人間の仕事を徐々に奪おうとしているマシンに対する反感を和らげる役に立つのだろうか?
(Whitten Sabbatini/The New York Times)

「ロボットの脅威」を緩和する