ムヒディン氏、首相就任 マレーシア、国王が任命
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ムヒディン氏は、ジョホール州から選出の下院議員。農業大臣、国際貿易産業大臣、副首相、内務大臣などを務めてきました。
初当選以来、かつての最大与党、統一マレー人国民組織（UMNO）に属していましたが、ナジブ政権で副首相を務めていた時にナジブ首相と対立、追放されました。その後、やはり与党を追放されたマハティール氏と組んで、団結党（BERSATU、マレー人ムスリムのみの政党）を立ち上げました。
2月24日に、政界大再編を目論んで辞任したマハティール首相を当初は支持し続けましたが、全政党の解体を求めるマハティール首相に各党が難色を示し、結果としてUMNOなど他のマレー人ムスリム政党に担がれて首相に就任しました。
下院総議席222の内、ムヒディン首相自身の傘下にいる議員は、30名足らずで、UMNOやマレーシア・イスラーム党といった他の政党を足しても、過半数ギリギリといったところです。少数与党になる可能性もあります。
闘争を好むマハティール前首相にとっては、ここからがむしろ本領発揮するところで、各党や議員を切り崩して、ムヒディン新首相の政権運営を阻止しようとするでしょう。
マレーシア首相はムヒディン氏に 元副首相、3月1日に宣誓式
https://newspicks.com/news/4679383?ref=user_1125005塩崎さんのご指摘の通りで少数与党としての可能性が高まる。マハティールは、ムヒディンは過半数の勢力は確保できないだろうとも発言。
マレーシアの日本大使館で働いていた2000〜06年は、マハティール引退からアブドゥラ政権の誕生という時期でムヒディンは有力政治家の一人だった。ただ、政治的には戦略家ではあまりなく、物静かな人物として知られていた。
マレーシアで歴史上初の政権交代およびマハティールが再登板したきっかけは、ムヒディンが作りましたが、今は対立する形に。他方、マレーシアが初めての政権交代を経験し、かつ、マレーシアの政治構造を考えると、この程度の混乱で収まっている、とも私は捉えています。各政党の議席数を数え、シナリオ分けである程度予見可能な合従連衡のため、それをこえた政治リスクにはならないと現時点で考えています。
他方、それを超える政治リスクになる条件もあるので、そちらをウォッチ。ムヒディン政権が少数与党での政権運営を続ける、あるいは（可能性は高いとはいえないが）ムヒディン側の多数派工作により過半数で政権を運営できる場合もあれば、マハティールがムヒディンを追い詰めて短命政権とした場合、次の首相は誰がなるのか。三度マハティールがやるとしても、年齢や近々の政治的な動きを考えても臨時であり、長期政権はあり得ない。
アズミン・アリ前経済担当相が最右翼とは思われますが、アンワール氏と同じアキレス腱を抱えていて、マハティールがアンワールを疎んじているという理由が真実であるならば、アズミン・アリも重用されるか不明。（真実は不明なるもアズミン・アリ氏は同性愛ビデオスキャンダルあり。流出した同性愛ビデオに映っている人物がアズミン氏という疑惑で本人かの確認はとれていない。アンワール氏は異常性行為罪で2014年有罪判決を受けている。マハティールはこれを相当嫌っているという情報はある）
そのときに、じゃあ次はだれ、となれば、再び政争が起こる可能性があります。
それにしても、1925年生まれのマハティール氏のバイタリティ。賛否はあるとしても、マレーシアを、ラザック、フセインと引き継ぎ上位中所得国としての地位を気付き、1人あたりGNPベースでは先進国の数歩手前まで持っていき、2003年の引退後15年して再登板、長期政権を交代させたエネルギーは凄まじい。確定してしまった。先程シンガポールのリーシェンロンも就任祝いの言葉を送ったと発表した。政争に敗北したマハティールは巻き返しを狙うのだろう。経済的ではASEANの中でも悪くないポジションのマレーシアだがいつまでも政治が安定しないのが残念。
