自動運転時代に向けて密かに加速。「車酔い研究」の最前線

2020/1/26

避けて通れない「課題」

通勤する人々が、うんざりするような渋滞の中で車を運転する苦痛から解放される日が近づきつつある。
いまや、企業はこぞって自動運転を可能にするセンサーやアルゴリズムの開発に巨額を投じている。
この努力が実を結べば、われわれ自動車通勤組は、本当に集中したい場所へと注意を集中させることができるだろう──つまり、スマホの画面である。
しかし、こうした「路上のマルチタスク」が現実のものとなる前に、人類は、長年苦しめられてきたある課題を解決しなくてはならない。
すなわち「乗り物酔い」である。
「自動運転車の開発に取り組む企業は、これが真剣に取り組むべき課題であることを理解しています」と話すのは、ミシガン大学の交通研究者であるモニカ・ジョーンズ。
「だから私も、本格的に取り組んでみようと思ったのです」。
(Westend61/Getty Images)

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