(ブルームバーグ): シェアオフィス事業を展開する米ウィーワークは米国で目指す新規株式公開(IPO)で、バリュエーションを従来の想定額から大きく引き下げ、200億-300億ドル程度(約2兆1400億-約3兆2000億円)を目標に検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。

情報が非公開だとして匿名を条件に述べた関係者によると、評価額は最終的に200億ドル付近となる可能性がある。これはソフトバンクグループから今年出資を受けた際の評価額である470億ドルの半分弱程度となる。

ウィーワークは近年、野心的に投資して多額の損失を計上している。配車サービスのリフトやウーバー・テクノロジーズなどの大型IPOが今年、期待外れに終わった後だけにウィーワークのIPO計画には冷めた見方も浮上している。未公開株取引プラットフォーム、エクイティーゼンの共同創業者フィル・ハスレット氏は「より保守的な水準で価格条件が決まる公算が大きいだろう。200億ドルのレンジかもしれない」と語った。

関係者はIPO条件の詳細はなお協議中で、最終的な評価額は投資家の需要次第で変わる可能性があると述べた。ウィーワークの担当者はコメントを避けた。

ダウ・ジョーンズ通信(DJ)が事情に詳しい関係者の情報を基に報じたところによると、ウィーワークのアダム・ニューマン最高経営責任者(CEO)は先週、東京でソフトバンクの孫正義会長兼社長と会合し、資本注入の可能性を協議した。関係者の氏名は明らかにされていない。

ニューマン、孫両氏は、ソフトバンクがアンカー投資家となり、ウィーワークがIPOで調達を目指す30億-40億ドルの大部分を引き受ける可能性を話し合った。ウィーワークがIPOを2020年まで延期できるようソフトバンクが同社に出資する可能性も話し合われたという。

原題:WeWork Is Said to Target IPO Valuation Far Below Last Round (3)(抜粋)WeWork CEO Met SoftBank CEO to Discuss Capital Infusion: DJ(1)(抜粋)

(市場関係者のコメントなどを追加して更新します)

--取材協力:Nabila Ahmed、Ellen Huet.

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