「無給医」全国で2191人 国が初めて認める
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一応、説明しておきますと、いわゆる研修医は無給ということはありません。初期臨床研修制度が制度化されたこともあり、バイトが表向き認められない代わりに研修施設に補助金が出て、ある程度の給与は保証されます。
無給医というのは、実際的には大学院生の立場を指していることが多いです。
他学部では、大学院生に給料を払うのは一般的ではないと思います。ただし、大学院生を労働力として使用するのも一般的ではないと思います。
ただ医学部に関して言えば、学位とるために4年も丸々臨床から離れたくないという医師もいるでしょうから、無給でも臨床の場にいたいというニーズに応えていたとも言えるのかもしれません。(労働という側面では間違っていますが)
さて、これからどうしていくのか。運営交付金が減り、国立大学病院の借入金の増加からは、2020年にも運営が滞るという記事もみられます。
大学院生は研究だけやって4年間一度もメスやカテーテルを握れないというふうにするのも致し方ないのか、それとも労働契約をきちんと結んで給料を払っていくのか(それであれば社会人大学院との差異は一体なんなのか)。勤務医不足の現状では後者かと思いますが、今度は大学病院の運営が危ぶまれるという事態が待っています。
大学病院とはあまり縁もなく医師人生を過ごしていますが、やはり地域の国の医療の中核を担っているのはやはり大学病院であることは間違いなく、経営も医療も研究も教育も健全化されることを願います。いくら新卒(研修医)であろうと、手術が出来ない若手であろうと無給なんてあり得ないですよね。元サラリーマンの自分としてはとても受け入れ難い話です。
というわけで、私はきちんと給与の貰える環境で研修を積んで来ました。医師は、病院・勤務地も診療科だって基本的には自由に選べるので本人次第と言えば本人次第です。
ただ、勉強一筋で高校から医学部に入り、そのままレールに乗って大学医局に集団就職みたいな形で来てしまうと、無給環境を受け入れてしまったりするのですよね。。。ある意味、医学生の自律心の未熟さがその源にあるのかもしれません。(厳しめコメントで失礼しました(_ _;) )無給医がいるかいないかという側面では意義の高い公表ですが、その人数には意味がないと思います。無給医という言葉の陰に隠される、超低賃金医がその何倍も存在しているからです。本質は無給医と同じです。
このような問題は多かれ少なかれ、全国のほぼ全ての大学病院が抱えているものと考えられます。高度な医療を提供する医療機関の医師が、この状況で勤務を続けていたということは不健全でしかありません。
一方、ストレートに医学生が就職する大学と異なり、人材を外部から確保してきた民間病院、公立病院では同様の問題は少ないものと思います。
この公表が、これから空気が変わっていく第一歩になると期待しています。