(ブルームバーグ): サウジアラビアのムハンマド皇太子は、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が来年にも実施されると述べたが、上場先については決まっていないとした。

サウジはアラムコの株式を国内取引所に加え、海外の取引所少なくとも1カ所に上場させることを目指している。皇太子は約2兆ドル(約217兆円)の評価を予想しているが、4月に開示された財務情報は、アラムコが他の石油大手と同じ基準で評価された場合、1兆2000億ドル程度の評価になることを示唆している。

皇太子は16日発行のアッシャルク・アルアウサト紙とのインタビューで、「われわれはアラムコのIPOにコミットしている。適切な環境下でふさわしい時期に、これまでにも述べたように2020年から21年の早い時期の間に実施すると見込んでいる。現時点でIPOの場所を決めるのは時期尚早だ」と語った。

ムハンマド皇太子はホルムズ海峡近くでのタンカー攻撃やサウジ南部のアブハ空港への攻撃に言及し、イランに対し国際社会が強い態度で臨むよう求めたサウジの呼び掛けを裏付けるものだと発言。「サウジはこの地域での戦争を目指していないが、国民や国家の主権、団結、重大な利益を脅かすものへの対応を躊躇(ちゅうちょ)しない」と述べた。

皇太子はさらに、タンカー攻撃が安倍晋三首相のイラン訪問中に起きたことを指摘。イランが安倍首相の努力に敬意を払わなかったと主張した。

原題:Aramco IPO Is On Track But Crown Prince Keeps Location Nebulous;

Saudi Crown Prince Expects Aramco IPO in 2020-2021, Paper Says(抜粋)

--取材協力:Nadeem Hamid.

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