終末期がん患者、VR映像で思い出の場所へ「まさか見られるとは」 不安感減る効果(神戸新聞NEXT)
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末期がんの患者さんに限らず、例えば認知症の方に昔住んでいた場所の映像をVRでお見せすると「そうそう!この通りを右にいったところに・・・」と雄弁に語りだし、元気を取り戻す事例もあるそうです。下記はその一例。国内でも取り組みを聞いたことあるのですが、リンク先を示せず。
VRで過去を追体験? 認知症患者向けのVRセラピー「LookBack VR」
https://bouncy.news/18111終末期のがん患者さんにとって、医学的、社会的な様々な理由で、動きたくても動けない、帰りたくても帰れない状況が続くことはまれではありません。現実世界で叶わないことをVRで叶えることは、患者さんの大きな助けになりそうです。
一方、日本で終末期といえば「がん」で、緩和病棟に入院することが許されるのはがん患者さんのみですが、言うまでもなく心臓の病気にも肺の病気にも終末期があります。このような方たちががんの患者さんと同じように緩和ケアの恩恵を受けられるような政策、環境整備も必要です。
また、自宅で最期を迎えたい方に、VRで見せるというだけでなく、それをバーチャルでない現実にできるような在宅診療、在宅緩和ケア、看護、介護の整備もまた、これからの日本にますます求められる動きだと思います。緩和ケア病棟にいた際には、医師付き添いで短時間ながら自宅に帰ったりしたことがあります。本当に喜んでました。
ですので、VRでの体験も、喜んでいただけそうな気がしますね!!
実際に外出するとなると、病状的にできなかったり、人的資源が足りずに行けなかったり、そんな問題もあります。
医療倫理に正義の原則がありますが、それに則るなら「その人だけが特別」というわけにはいきませんので、できれば希望する方皆さんに外出を提供しなければなりませんし、難しいところです。
外出は関係ありませんが、患者さんに喜んでいただこうとしたことの中では、長期入院で人工呼吸器に繋がれてしまっている方に少しでも前を向いていただきたくて、ご夫婦が結婚式をあげてないという情報を聞き、院内のチャペルで結婚式した(呼吸器外してる間は医師がずっと呼吸のバッグを揉み続けてました)、というのがありましたが、そういうことにまで配慮していた看護師さんに感謝・尊敬しましたし、われわれ医療者は病気を治すだけではないな、と思いました。
あとは、小児科で子供たちと遊んだり、とかも良い思い出ですが、、、それは研修医時代の「自分の癒し」であって、患者さんのためではないかもしれませんね(笑)