【情報戦】ロシア系メディアの「5G健康被害」デマに踊る米国

2019/5/23

「5Gは、人命を奪う」

5Gを制した国が今世紀の技術競争で優勢を誇るだろう──多くのアナリストがそう指摘するように、次世代モバイル通信「5G」は、夢のテクノロジーとして期待されている。
だが、ホワイトハウスから数ブロック先のテレビ局からは、5Gの「知られざる危険性」にまつわる懸念が拡散されている。
ある日の放送では、リポーターが視聴者に向かってこう警告した。
「5Gは、あなたの命を奪う可能性もある」
それは、ロシア国営テレビの米国支局「RTアメリカ」が放送した『危険な人体実験』という番組のワンシーンだった。同局では専門家らを招き「5Gが健康へ及ぼす脅威」について警鐘を鳴らした。
RTアメリカといえば、米情報当局から2016年大統領選への介入が指摘されたテレビ局だ。その同局が、今度は5Gから発せられる電波が脳腫瘍や不妊、自閉症、アルツハイマー病などを引き起こす可能性があると喧伝(けんでん)している。
もちろん、確固たる科学的根拠は提示されていない。

新たなる経済戦争の幕開け