スタンフォード、アップルを経た僕が、彼と板金を選んだ理由

2019/1/30
「自動車の図面データをアップロードすると、瞬時にその見積もりが出てくる。そんな世界が実現したら、面白くないですか?」
そう目を輝かせて話すのは、弱冠28歳の起業家・小橋昭文。2017年11月、加藤勇志郎と共にキャディという会社を創業した、最高技術責任者(CTO)だ。
代表の加藤は外資系コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーで最年少マネジャーを務めた人物。
かたやCTOの小橋は、もともと米ロッキード・マーティン本社で衛星の大量画像データ処理システムを構築していたソフトウェアエンジニアだ。
その後、アップル米国本社でiPhone、iPad、アップルウォッチの電池持続性の改善や、ワイヤレスマイク付きイヤフォン「AirPods」のシニアエンジニアとして、開発をリードした人物である。
小橋昭文(こばし・あきふみ)キャディ最高技術責任者
スタンフォード大学・大学院で電子工学を専攻。世界最大の軍事企業ロッキード・マーティンの米国本社に4年超勤務。その後、米クアルコムで半導体セキュリティ強化に従事したあと、アップル米国本社で電池の持続性改善や、AirPodsの開発をリード。2017年11月、加藤勇志郎と共にキャディを創業(写真:加藤昌人)
そんな二人がビジネスチャンスを最初に見出したのは、一見地味な「板金」の世界だった。
彼らが目指すのは、いわば「モノづくりのAmazon」とも呼べる、特注品のプラットフォームだ。
NewsPicks編集部が注目する「キャディ特集」後編の本日は、小橋CTOのインタビューをもとに、同社のアイデアを実現するキャディ独自のテクノロジーに迫る。
*前編
【秘話】辞めマッキンゼー✕辞めアップルが挑む、すごい板金屋

iPhone行列で感じた、製造業の課題