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がんゲノム拠点病院強化、新たに30施設指定

読売新聞
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  • アラバマ大学バーミンガム校 助教授

    がんは、正常な細胞に遺伝子異常が入ることで、異常に増える能力を獲得して起こる病気です。がん細胞が増えるためには、その獲得した遺伝子異常を使っていることがあるので、その遺伝子異常を調べて、それを抑える薬を使うことは、一つの合理的な治療手段となります。

    ただ、このアプローチには2つの大きな問題があって、今までは一部の遺伝子変異のみしか調べられていませんでした。その問題とは、
    1) 検査費用が高すぎた
    2) 遺伝子異常をみつけても有効な治療に結びつかなかった

    高価な費用に関しては、近年の技術進歩で急激に安価になってきました。また、がんの遺伝子変異研究の成果によって、治療の対象となりそうな代表的な遺伝子異常がしぼられてきたことで、全部の遺伝子異常を調べるのではなくて、絞った遺伝子異常のみを調べる簡易検査であるパネル検査が登場して、実臨床で使う現実的なレベルの価格となってきました。今年はこのパネル検査が保険適応となる予定で、本格的にがんゲノム拠点病院で検査が行われることと予想されます。

    もう一つの問題であった遺伝子異常をみつけても良い治療に結びつかなかったという点でも、少しずつ改善が見られてきています。近年、がん増殖に密接に関わる遺伝子異常が明らかとなってきました。一つの例としては、NTRK遺伝子変異というものがあります。この遺伝子異常があると、これに対する阻害剤がとても良く効くことがわかっています。今まで有効な治療がなかった小児がんでも効果を示すことが示されています。遺伝子変異検査を行わないとこの遺伝子異常があるということはわかりませんし、薬剤で治療できるということがわからないため、がん遺伝子検査の必要性は高まっています。今年は、NTRK遺伝子変異に対する阻害剤が日本で保険認可される予定で、これもがんゲノム検査時代の幕開けを告げる一因となりそうです。


注目のコメント

  • 総合内科専門医・循環器専門医 医長

    がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会によると、がんゲノム医療とは「がん患者の腫瘍部および正常 部のゲノム情報を用いて治療の最適化・予後予測・発症予防をおこなう医療(未 発症者も対象とすることがある。またゲノム以外のマルチオミックス情報も含 める)」と定義されています。

    現在の標準治療でも遺伝子変異を調べて分子標的薬を使用する治療がすでに一般的ですが、癌の種類によって多くの方に認められる遺伝子変異だけを探すような現在の治療はがんゲノム医療には含まないようです。

    シークエンサを用いて広く解析する遺伝子(ゲノム)情報や、さらには遺伝子だけでなく転写・タンパク質・代謝などのもっと広い範囲の情報をオミックス情報と言いますが、そういったものを利用します。

    ○○癌になりやすいということから早期発見につなげたり、
    個別に使用できる分子標的薬の選択に使えたり、
    現在の化学療法薬を用いた場合の副作用の出やすさを調べたり、、、に使えます。

    デメリットとしては情報を知ることによるデメリットが1つ。あとはあくまで新規治療が多くは治験であることでしょうか。

    癌になりやすいと言われながら暮らすことがQOLに関与する可能性(そもそも癌家系と言われてるのとどう違うかは個人の感覚でしょうけれど)、あとは遺伝性の癌であった場合は家族・親族を含めた心理的影響も強いでしょう。
    治験というのは、理論的な背景はあるものの臨床での有効性・安全性の評価はこれから、ということです。また、そもそも期待していたのに治験の対象ではないといった失望もあるかもしれません。

    基本的にはがんゲノム医療そのものには大きな期待を持てると考えてよいように思います(医師としては思っていますというだけですが)。ただ遺伝子情報を扱う以上は「遺伝」するものであった時の対応は要検討でしょう。

    最近は特に遺伝カウンセラーの必要性が上がっているということを感じています。(勉強しようかなぁ、、、)

    https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/genmed02.html
    https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000166310.pdf


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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    ゲノム医療と言うと高度な音の響きで聞こえはいいのですが、2019年現在では限界の方が多く語られるべき領域で、あくまで試験運用という状況だと思います。

    ごく一部の腫瘍では遺伝子変異に合わせた治療薬がすでに汎用されていますが、多くの場合、遺伝子異常を同定しても、それに対する治療薬の開発ないし臨床試験による評価は行われておらず、対応する治療薬はないという状況になります。

    それ故に、現時点でがんゲノム検査が我々にもたらしてくれることは、より正確な予後予測を可能にしてくれる、という能力に大部分限定されます。

    「あなたのがんがもつ遺伝子変異は、寿命が短いことと関連していることが知られています。しかし残念ながら、この遺伝子変異に対する良い治療薬はありません。」こんな状況を生み出すということです。

    また、今後それに対応する治療薬が無数に開発されたら、その治療費はどう賄うのか、国民皆保険はどこへ向かうのか、そんなことを考えながらニュースをお読みいただければと思います。


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    TAZ Inc. 代表取締役社長

    いよいよ日本でもがんゲノム医療の普及の体制が整えられつつありますね、2019年は日本でのがんゲノム元年になりそう。


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