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2019年に超大型の株式上場(IPO)を予定しているウーバー(Uber)。時価総額にして10兆円以上という、とほうもない価値を支えているのが、実はエンジニアやテクノロジーだけではなく、わずか10人ちょっとの「トップ経済学者」によるチームであることを描き出したQuartzの長文記事です。じっくり読むことをおすすめします!

アカデミーと企業の「境界線」を超えて、こうしたタレントたちを自由に使いこなすことが、テクノロジー企業で常識になっている事実はよくよく理解すべきことだと感じます。とりわけ経済学者など社会科学のスペシャリストたちの頭脳が、Uberなど新興テクノロジー企業の「ビジネスのフレーム設計」や「世論の賛同」のために、フルに使われている点はとても面白い。

ちなみに今回の特集では、英語も学んでもらえるように、原文(英語)のリンクも記事内に付けています。また一部のフレーズは日本語/英語で表記していますので、2019年に英語でビジネスニュースを読めるようになりたいという人も、ぜひご一読ください!
"「それはワクワクするような体験でした。何百人かの研究者を相手に論文を書くのとは違い、自分の研究によって経済そのものに影響を及ぼせますから」。"
UBERの負の局面ばかりが強調されるこの数年でしたが、どう控えめに見ても世界の最先端をいっているサービスであることは間違いない。値上げシステムにしても日本でJapanTaxiアプリでは早朝や混雑時には値上げしていて私は普通に利用しています。
この背景には論理的な裏付けがあることはなんとなくわかっていましたが、ここまでの闘争があったことは知りませんでした。世界から集めた巨額の資金の使い方としてこれほど正当なものはないでしょう。
Uberの変動価格制が、同じく変動価格制を採っているように見えるホテルやエアラインと比べても経済学的に「クール」なのは、市場の調整機能によって供給量も弾力的に滑らかに変化すること。すなわち、今日は雪で価格が高いと分かったら、「じゃあ、車を出すか」と供給も瞬間的に調整される点。通常のビジネスは、需要過多でもそれを見てホテルや航空機は増やせないし、タクシー業が儲かると判ってもまずはタクシー業免許をとらないといけない。その意味で需給の調整には時間がかかるし、繰り返しゲームのような性格も入ってきてしまいます。教科書通りの需給曲線と均衡価格が、サービス財の世界で観察できるという意味ではエコノミスト的に格好な研究対象であることはよくわかります
学者などのアカデミックからするとUberの持つリアルのビッグデータは社会実験の場として垂涎の的と思います。Uberはタクシー会社ではなく、移動交通におけるデータカンパニー、AI企業と見ないと実態を見誤ります。世界750都市1日1500万回のライドデータをリアルタイムで本社で集計し一元管理。事業計画は日々シナリオ修正され、機械学習により予測精度を磨いています。Uberの経営意思決定はあらゆる階層でこのデータインサイトに基づいて科学的に行われているそうです。Uber Engineeringというブログを公開していますが、とても評価が高く、興味深いポストが多いです。
https://eng.uber.com/
Uberのインセンティブ制はシリコンバレーで運転手と話していてもやっぱりすごい労働市場へインパクトを与えているように感じたし、こういうところでベーシックインカムの制度とかを試験的に試すのも面白いのではな、なんていう妄想。

国内でも、Uber Eatsの配送料のダイナミックプライシングは結構変動性が高くてウーバノミクスの真骨頂だと思いましたし、逆にこうしたダイナミックプライシングの仕組みを3rdパーティのシステムとして交通以外の領域に適用する動きなんかも加速していくのかもしれませんね。

経済学においても、オールドエコノミーだけでなくこうしたニューエコノミーの領域にも興味をもってどんどん論じられるようになっていってほしいですね。たとえばシェアリングエコノミーにおける外部不経済みたいなことが言われますけど、それは本当なのかとか、そもそも経済モデルとしてはどうとらえられるのか、といったようなことも含めて。
ウーバーのシンクタンク機能の持ち方は、マッキンゼー(コンサルティング会社)のコンテンツ戦略とも似ていると感じました。

▼マッキンゼーのコンテンツ戦略
スタッフペーパー→論文掲載→信頼を獲得→顧客化

▼ウーバーのエコノミスト戦略を整理
・ウーバー独自のシンクタンク→ロビイストや政策担当者らを理論武装させるべく、クォンツやデータ・サイエンティストからファクトをかき集めて提供

・もっとも優秀なスター専門家に論文を執筆させて、一流の学術雑誌に発表

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産学連携が重要だと言われていますが、グローバル基準で考えると、日本はまだまだ進んでいない。
いつも言うことですが、世界を変えるためにはポリシーメイキングのための投資をしなければいけません。UBERは経済学者を通じてこれを行うことが有効と判断しましたが、彼らのビジネスモデルから合理的な戦略だと思います。日本から世界基準のスタートアップがなかなか出てこない真の理由は、このレベルでの勝負をしている会社がないからです。逆に、そこそこ戦えている会社は、必ず業界で知られた高度人材が集まって社会に影響を与える活動をしています。
この連載はどの記事も読み応えがあります。(長いけど。)
ざっとで良いので流し読みするのがオススメです。
需給バランスによる価格変動がリアルタイムで起こるUberとエコノミストの相性が良いのはよく分かります。もちろん都合の悪いことはかけないというバイアスは強いものの。
ウーバーは単なるライドシェアではなく、モビリティを変革する企業だからこそ、多くの優秀な頭脳が参集するのでしょう。

ウーバーやリフトによって、タクシー業界だけでなく、自動車業界が変革を迫られています。宅配ビジネスも同様、ウーバーに刺激されて変革がはじまっている。

ウーバーのプラットフォームで受給をバランスさせるという発想はタクシー業界の固定料金制を破壊しました。ニーズが高ければ、料金も高くなる。これらを仕掛けているのが、ウーバーの頭脳集団というレポートです。
カタカナのエコノミストは、基本的には経済学者、Ph.D.ホルダーを指す英語とはニュアンスが異なるので、経済学者と読み替えたほうが良いかもしれませんね。

それはさておき、こうなると政策側もそれなりの武装をしないと、されるがままですね。。なぜ交通サービスの大半が公的に賄われている、あるいは規制下に置かれているのか、きたのか。この問を突き詰めて次の制度設計をしなければなりません。

価値観、目的関数をどう置くのかで研究の方向性も結論も変わってきます。結果を見る側にもリテラシーが求められますね。
この連載について
世界中のビジネスやテクノロジーの最前線を、Quartzによる深掘りレポートを通してまるごと紹介する特別企画。未来を見通すための多くのヒントに加えて、特集とリンクした原文(英語)を読むことで、英語も学べる新デザインで掲載。
Uber(ウーバー)は、アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリである。現在は世界70カ国・地域の450都市以上で展開している。 ウィキペディア

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