最大で18階。全米で広がる「木造高層ビル」の可能性

2019/1/15

木造建築の新基準とは

今、建築資材としての木材が、再び注目を集めている。
政界では環境保護に逆行する動きもみられるが、環境に優しい建築を求める消費者は依然として多い。オフィスや集合住宅、キャンパスなどのプロジェクトで、数十年にわたり主流だったコンクリートや鋼鉄ではなく、木材を選ぶ業者が増えている。
その人気はアメリカ全土に広がっているが、誰もが歓迎しているわけではない。耐燃性や強度不足に対する不安のほか、建築コストが一般的な資材の3割増しになる場合もあるからだ。
しかし昨年末、木造推進派は大きく前進した。建築や防火などの基準を策定する国際基準評議会(ICC)が、安全面を犠牲にしなくても、最大で18階の木造建築が可能だとする見解を発表したのだ。これは、アメリカの各州で木造建築に課されている一般的な上限の、2倍以上の高さにあたる。