【土屋武司】「空飛ぶクルマ」実現へ。本格化するドローン革命
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今回，寄稿させていただきました土屋武司です．大学では航空機（「航空機」と「飛行機」の違いを知っていますか？）の飛行制御を研究，教育しています．航空機の安全，効率に航法，誘導，制御から取り組んでいます．「落ちない飛行機」が夢の一つです．そのために現代制御，最適化技術などを駆使していますが，最適飛行制御による効率化からさらに一歩踏み出して，概念レベルの航空機設計と制御の同時最適化，複合領域最適化へと研究を進めています．そこからスペースプレーンや極超音速機といった先進航空機の複合領域最適設計も研究しています（実は学生の頃から続けているテーマがこれ）．さらに，飛行制御の一環として無人航空機の研究を15年くらい前から行ってきました．20，50年先の近未来を考え専門分野から貢献したい．大学人ですから，多少，バカみたいなことでもリスクをとって研究をしていきたい．15年前に始めた無人航空機の研究は確信はありましたが，まさにリスクもありました．
さて今回，最後に書ききれなかったことがあります．最期に，シームレスな多層構造を持ったエア・モビリティと書きましたが，空に限定できるものではありません．地上，海上（海中），屋内，屋外のモビリティがすべてボーダレスに繋がる未来が描けます．例えば，自動車業界の大変革というのが話題になっていますが，空の変革と同時並行に進み，やがて，自動車，鉄道，航空機，船舶，昇降機などすべてのモビリティが融合していくだろうと考えています．ドローンの何がスゴイってそのネーミングとビジュアル的な近未来感。ふつうに考えればネーミングはラジコンだし、デザインもヘリが妥当でしょう。でもラジコンのヘリコプターじゃあここまでイノベーションは起きなかったのは間違いないと思います。
"一方で最近の空飛ぶクルマは、電動、自動（自律）飛行、垂直離着陸を可能としたドローンの技術を応用している。"ドローン普及、空飛ぶ車構想、実現する可能性は高いです。
それを見据えて、ドローンスクール(資格取得可)が東京だけでなく地方にも開校しており、話に聞くと小学生の入校割合が1番高いそうです(サッカー、スイミングと同じ感覚でしょうか)。
職業柄、ドローン操作により基地局の調査や宅配の実証実験など携わることがありますが、今まで人が登って確かめるという危ない調査をドローンが引き受けてくれたのは有難いです。
ただ、音がうるさ過ぎるので、ここがキャズムの1つになると思います。
航空法や自治体独自のルールを学び、安全に操作できる人が増えて欲しいです…私もそろそろ取らなければ！
