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コメント
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SVFの深刻な問題点についてはこれまでも繰り返し述べてきたので(https://newspicks.com/news/3468364?ref=user_345620)、 ここでは省くとして、今回のインタビューだけからわかることについて、何点か追加で指摘しておきたい。
まず、短期間で60数社に投資したというが、それがSVFの性格であるはずのハンズオン性が高い投資であれば、ICや孫社長がマネージできる範囲を超えていると言わざるを得ない。きちんとポートフォリオカンパニーを見れるのは、ハンズオフ投資にするか、投資先数を絞るかのどちらかだ。
次に、投資はすべて親会社であるSBGとのシナジーを考慮して決めているという話だが、これは投資家の利益と一致するとは限らない点に留意が必要であり、通常は許容されるものではない。
また、ファンド期間14年が来てもSBGがポートフォリオカンパニーを保有し続ける可能性があるということだが、それこそ完全な利益相反であろう。SVFからSBGに幾らの価格で売るのだろうか。安く買いたいSBGと高く売るべきSVFの間の利益相反を誰が解決し、誰が決裁するのか。また、その時、SGBはSVFで得た利益を使うというが、SVFの利益は現時点でほとんどが評価益でしかなく、キャッシュが入っているわけではないし、キャッシュが入ったとしてもSBGはSVFのマイノリティー出資者(GP出資)でしかない。
ただ称賛していたい気もするが、そうもいかない気もするので、一応コメントしておく。本来やってはいけないことをすれば目立つし称賛もされるだろうが(そしてそこにイノベーションの可能性もあるのだが)、やってはいけないと言われてきたことにはそれなりの理由があることも知っておくべきだ。特に株主・投資家の保護は資本市場にとって非常に大切なことなのだ。SVFは、孫正義が「発明」したのではなく、孫正義が「禁じ手を使った」ということに過ぎない。
注目のコメント
10兆円の資金をほこるソフトバンク・ビジョン・ファンドの「ハンター」に、NewsPicksは独占的にインタビューをしました。世界中からユニコーン企業(時価総額1000億円以上の未上場企業)を探し出しては、これまでは考えられないほど大型の出資をして、ものすごいスピードで成長を加速させてゆく。これが数年後にどのような結果になるのか、楽しみで仕方ありません。
ここに登場してくださった松井さんは、世界でたった8人しかいないハンターの中でも、唯一の日本人です。みずほ証券時代に孫さんと出会い、ボーダフォンや米スプリント、ARMの買収などを助言しており、2016年についにソフトバンクに移籍をしてビジョンファンドの幹部になっています。
非常に面白い内容だったので、なるべくノーカットにして、インタビュー内容をみなさまにお届けします。ぜひご一読ください。①マーケットポテンシャルのあるナンバーワン企業への投資にフォーカスし、約2年で67社の投資を決めたこと
②投資の裏付けには、自社出資先のエコシステムにおけるシナジーが考えられること
③投資先の成長プランニング、KPI進捗を月1回
孫社長と担当者たちが3時間、徹底的にレビューしていること
①についてはシンプルですが、それだけに誰もやらない・やれないなと改めて思います。
②については世界ナンバーワンの企業が70社も集まれば、相互になんか生まれるとは思いつつも、結局何が生まれたのかは具体的に追っていかないといけないですね。
③にアフターマサの真骨頂があるといいなとは思いました。同時に、結局、ソフトバンクがこのような群戦略をとることが誰をどうやって幸せにすることなのか? という青くさいことを考えることが大切な気がしています。
その答えは、ユニコーンの経営陣が、真に自社の事業開発だけに集中する環境をつくることで、世界をイノベーティブなものにするということなのかもしれません。ナンバー1にしか投資しない投資会社とは、何か?
VCではありません。よりPE的な次世代型金融会社。
ナンバー1になるかもしれない先を見出す努力、ナンバー1にならせる為の支援努力、その対価としてキャピタルゲインを得るのが文字通り「ベンチャー」キャピタル。
最終コナー回ってリード確定している先にしか投資しないのは、成熟企業に投資するPEに近い、企業支援よりも金融ストラクチャにそのバリュー源泉がある金融業です。
なぜナンバー1のみに投資するのか?
ナンバー1になりさえすれば企業価値が極大化する事を誰よりも知っているから。90年代米国でヤフー、00年代中国でアリババで体現し心底理解している、現在世界あらゆる国の時価総額上位はすべてテック企業でありこれからも加速度的にその傾向が増す事を知っているから。
なぜナンバー1投資ができるのか?
資金調達力が誰よりもずば抜けて高いから。
ADSL、ボーダフォン、スプリントと、そのたびに生きるの死ぬのと論評されながらも桁違いの資金調達とハイレバレッジ経営を繰り返し、そのたびに桁を2つくらい上げてきた、だれよりも資金調達の道に秀でているから。
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多くの指摘コメントの通り、金融プロの観点から大いに矛盾があり、我々VCとも全く異なる新生物、次世代型金融会社であるSBG。
これまでの超ハイレバレッジ買収でも金融プロには毎回叩かれ続けながらも、結果それらを丸呑みして次の次元に辿り着いてきた来た孫さんだからこそ、今回も常人が考えると来年からの景気下降局面で大惨事になるはずのところ、そうならない算段がちゃんと付いているのでしょう。NPにはそのあたりの深堀を以降の稿にて期待したい。