紙は衰退産業か 王子×日本製紙、明暗わけた兄弟
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注目のコメント
とても面白い、長期に渡る企業の変化を掘り起こした記事で、是非読んでいただきたい。
紙は、パルプを作る部分と、そのパルプをどういう形にしていくかという部分がある。経済が豊かになる中で、情報を伝える手段としての紙は重要であったが、それがITに代替されてきている。一方で経済が豊かになると、分業が進み、それを運ぶ手段として段ボールの需要は徐々に増えていく。
また、特に原料のパルプは米国やブラジル、カナダが世界生産の6割を占めて、意外にも偏在している資源。
IT化による需要変化、新興国の成長による資源需給、こういった長期トレンドをどれだけ捉えられて、経営資源を長期にわたって賭けられていたか。
後講釈は簡単だが、実際には目を向けないといけない足元の現実も併せてある。そのなかで長期でどういう経営をしてきたかが、企業の長期成長を分ける。
企業の長期成長を比較し、要因抽出をした本としては、神戸大学三品教授の「戦略不全の因果」がある。
http://amzn.to/2wI69oJ"「王子は様々な会社を取り込んで、人材面も多様になっている。だがウチは(前身である)十条製紙の色が強すぎるかもしれない」"
いいですね。ITベンチャー特集も良かったですし、日経のコンフィデンシャルはさすが読み応えあります。
私は多様化は手段ではなく目的になってもいいのではないかと思い始めています。もしくは目的達成のための必須項目かもしれない。
経営とは変化への対応そのものになってきています。そうなると、多様性がないとそもそも長い期間企業活動を続けられない可能性が高い。純血主義だけで長い期間成功しているところなどないのではないかと思います。製紙会社と新聞社は二人三脚でやって来たパートナーでもありす。それだけに自分の会社の記事のような感覚で読みました。
この部分に光明を見ます。抜き書きします。
日本製紙の記者発表会で馬城社長には晴れやかな笑顔が戻っていた。「プラスチック廃止の世界的な流れを受けて、新しい商品を提案したい」。ジュースなどの紙容器で新製品を発表、50人近い報道陣が詰めかけた。
「開発力では王子に負けない」(担当者)。同社は1964年にティッシュを日本で初めて販売した先駆者だ。‥