アマゾンに続け。生存をかけた小売業界のテック攻勢

2018/9/1

ベンチャーに未来を見いだす小売業界

食料雑貨販売のeコマース会社ボックスド(Boxed)を経営するチェ・ファンは何年も前から、食料品販売大手に同社の技術を売り込もうとしてきた。
企業幹部相手に、最先端をいく発送センターの見学会を定期的に催した。その目玉は、カスタムソフトウェアシステムと自律誘導カートだ。
ボックスド(本社ニューヨーク、従業員数約250人)は、食料品その他の日用雑貨のオンラインまとめ売りを手掛けている。また、企業に対してスナックや事務用品を供給する大規模なB2B事業も構築しており、eコマースサイトやアプリから広告収入も得ている。
しかし、収益性が低く、2016年にやっと売上高1億ドルを突破したボックスドへの関心は低かった。「かわいいレモネード屋台程度にしか思われていなかったようだ」と、とファンは言う。
ボックスドを経営するチェ・ファン (Jeenah Moon/The New York Times)
そんな状況が変わったのは、1年前。アマゾンによる米食品スーパーのホールフーズ・マーケットの買収がきっかけだった。