シリコンバレー企業を取り締まる、「鉄の女」の素顔

2018/6/17

米テック企業を追及するEU

アップルが、音声認識アプリ「Shazam」の運営会社、シャザム・エンターテインメントの買収に乗り出すと、欧州委員会のマルグレーテ・ベスタエアー競争政策担当委員は、これを調査することを決めた。
ベスタエアーにすれば一見、小さな決断にすぎないように思える。
ベスタエアーは、シリコンバレーの巨大企業を厳しく追及していることで知られる人物。一方、シャザム買収は金額が10億ドルを大きく下回るとの見方が強く、比較的規模が小さい案件だ。
しかし、ここで問われているのは買収金額ではなく、データ量だ。急速に拡大する情報経済においては、データコントロールを新たな規制の対象にすべきだと、ベスタエアーは考えている。
「データが資産としてどのように機能するか、業界にどんな影響を与えるか。さまざまな側面について理解しようと努めている最中だ」と、ベスタエアーはインタビューで語っている。「アップルが持つデータがシャザムのデータと一緒になったら、どんなことが起きるのか」