(Bloomberg) -- 米アップルと多くの半導体株が19日に下落した。スマートフォン業界向け半導体メーカーで大手の台湾積体電路製造(TSMC)が示した売上高見通しを受け、スマホブームの先細り懸念が再燃した。

TSMCが19日に示した4-6月(第2四半期)の売上高見通しはアナリスト予想を10億ドル下回った。また、国際通貨基金(IMF)は今週、スマートフォンの出荷が初めて減少したと指摘し、同市場の最盛期は過ぎた可能性が浮き彫りとなった。

アップル株は2.8%安。TSMCの米国預託証券(ADR)は5.7%安で終了。他の半導体株や半導体製造装置株もつれ安となり、TSMCに製造装置を販売するアプライド・マテリアルズやTSMCの顧客で通信機器部品の主要サプライヤーであるブロードコムも売られた。

TSMCはデジタル通貨の採掘に必要な強力な半導体など、新たな需要が拡大している分野もあるが、スマートフォンの分野では先進国市場での飽和状態や買い替えサイクルの長期化により、需要鈍化に見舞われている。アップルはTSMCの売上高全体の20%余りを占める。

JPモルガン・チェースのアナリスト、ゴクル・ハリハラン氏はアップルの「iPhone(アイフォーン)」がTSMCの見通しの弱さに大きく影響していると指摘。TSMCのアップル関連売上高は1-3月(第1四半期)に前期比30%減少した後、4-6月(第2四半期)に50%程度の落ち込みとなる可能性があると予想した。

アップルは1-3月期の売上高見通しを市場予想より少ない600億ー620億ドルとしており、アイフォーン販売はアナリスト予想より少ない可能性を示している。同社は5月1日に四半期決算を発表する。

一方、みずほセキュリティーズのアナリスト、アベイ・ランバ氏は19日のリポートで、アップルの4-6月(第3四半期)の売上高ガイダンスのレンジ中央値が市場予想平均に届かない可能性があるとリポートで指摘した。

原題:Apple, Chipmakers Drop on Taiwan Semi’s Tepid Sales Forecast (2)(抜粋)

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ニューヨーク 森 茂生 smori1@bloomberg.net.

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