【ロシア】世界の権力者が学ぶ、プーチンの「ダークサイドスキル」

2018/4/12

強権的な指導者の「モデル」

政敵を抑え込み、友人や取り巻きの懐を潤す。ウクライナの一部を併合し、シリアの内戦では残忍な独裁者を支援して、アメリカの大統領選挙に介入する。そして二度にわたって、亡命した自国の元スパイがイギリスで毒を盛られた事件で、黒幕として非難される──。
そんなウラジーミル・プーチンが、世界のポピュリストや強権的な指導者の「ヒーロー」とあがめられ、世界政治における非主流派から人気が高いのはなぜか。
おそらく、冒頭で述べたことはすべて、その理由の一部なのだろう。
ロシアに君臨して18年以上。プーチンは国内の批判をはねつけ、国外ではソ連崩壊後に生まれた世界秩序のルールを無視してきた。
かつては自由化する世界とはそりの合わないリーダーと思われていたが、今では、自由主義に反発する新手の指導者たち──トルコやハンガリー、イタリア、さらにはアメリカの首脳──をリードしている存在かのようだ。
2017年12月、モスクワで開かれた「スーパープーチン」展のアート(写真:AFP/アフロ)
ただし、プーチンはかつての共産主義のような明確なイデオロギーを掲げているわけではない。