シャープ立て直しのキーマンにみる「社員のモチベーション向上術」

2018/1/4
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
4日は、ジェイ・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの田中 博文(たなか・ひろふみ)さんが出演。
都銀や日系証券会社でM&A、IPOなどの投資銀行業務に従事されてきた田中さん。2回目の出演となる今回は「シャープ、時価総額2兆円の実力は本物か?」(Business Insider Japan)を題材に、業績V字回復のカギを握る人物についてお話いただきました。
NewsPicksとJ-WAVE「PICK ONE」のスペシャルトークイベントが、1月25(木)に開催されます。当日は公開収録も実施します。詳細はこちらよりご確認ください。
POINT 1:
業績のV字回復
経営危機に陥って2016年には東証2部に降格したシャープが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収を経て、業績を劇的に改善させた。
「ホンハイ傘下となる前の2016年に、生産設備の減損処理などを行い、利益を出せる下準備はできていました。
社外から経営者を迎えて『お手並み拝見』と注目を集めるなかで、きっちり数字で実績を上げたのは素晴らしい。シャープの復活は、カルロス・ゴーン氏によってV字回復に導かれた日産を思い出させます。業界の今後の大きな指針となるでしょう」(田中さん)
POINT 2:
経費の徹底削減と「心をつかむ投資
「キーマンはどんな人物なのでしょうか?」(サッシャさん)
「ホンハイを電子機器受託生産(EMS)大手に育て上げた、創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)会長は、腹心の戴正呉(タイ・セイゴ)氏をシャープ社長に任命しました。
タイ社長は、シャープの社員寮に入居して社員と共同生活しながら、彼らの気持ちを汲み取ろうとすると同時に、徹底した経費削減を自ら体現。社長決裁の基準も厳しくして、その対象を億単位だったところから300万円まで引き下げたとも聞きます」(田中さん)
「その一方で、旧経営体制のときにシャープがニトリに売却した、大阪・阿倍野の旧本社を『歴史のある場所』だからと買い戻そうとしました。
日産もまた、経営難だった頃に横浜Fマリノスを売却する噂もありましたが、スポーツチームが社員に与える力を重視したゴーン会長は手放しませんでした。
コストを細かく見極めながらも、社員の気持ちをつかむ投資はする。ゴーン氏同様、タイ社長も社員のモチベーション向上に長けた方という印象を受けました」(田中さん)
POINT 3:
2018年の業績を握るカギは?
「今後のシャープの業績を握るカギとは?」(サッシャさん)
「シャープは液晶事業に勝負をかけて利益を上げたのも事実ですが、海外メーカーとの価格競争も激しく、値段の振れ幅が大きい分野でもあります。市場を見誤れば、たちまち利益が出なくなってしまいます。
液晶をはじめ、シャープが持っている技術力、たとえば有機ELも、薄型化や黒色の表現といった特性が注目されています。こうしたシャープの強みと、ホンハイの持つネットワークを活用して、アジアをはじめ世界規模で売り上げをあげていけるか。買収によるシナジーが創出できるかが重要になるでしょう」(田中さん)
今回のニュースをはじめとした田中さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
1月9日は、シニフィアン共同代表の朝倉祐介さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください