パナソニック、日米中で車載電池増産 1000億円投資
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グローバルで起きている製造業のトレンドを象徴するような動きです。
新興国生産から地産地消へ
タイやインドネシアなど労働コストの低い場所での生産から、米中日と三大消費市場での生産に回帰しています。ロボティクスやFAにより労働コストの低さより市場への近さを取るようになったためです。
内燃車からEVへ
言うまでもありません。現時点でも、向こう30年でも、最大市場は中国です。
なお、パナソニックの最大のライバルは世界最大手EVメーカーの、中国BVDです。テスラと違いもともとリチウムイオンバッテリーメーカーであった同社は内製しています。規模を確認すると、パナがTeslaと作ったギガファクトリーは50億ドル程度で、その1/3程度をパナが出していると報道されている(下記など)。その観点で1000億円というのは工場規模としてはギガファクトリーと比較して少ないが、パナの純粋な投資金額としては結構な金額。
http://nkbp.jp/2lgSmoS
特に中国での投資について『(2018年3月稼働を目指している大連の)1棟目の生産能力はEV換算で数十万台分のもよう。2棟目ができれば全体の生産能力は約2倍になる見込みだ。』とのこと。
NEV規制という規制が中国では2019年から導入される。その際に日系各社で求められるEV台数は、毎年5万台程度(①)。下記②のマークラインズを見ると、日経のシェアは約15%。中国系および日系以外の外資がそれぞれ4割程度となる。そこから考えると、第一段階で数十万台、2棟目で2倍程度というのは、シェアで過半を狙えるキャパだと思う。
逆にすでにEVが増えている中で、キャパをどうやってちゃんと埋めるかが経営課題となりそう。
①https://newspicks.com/news/2565720
②https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2016現在、テスラ3の生産が遅れていますが、
このテスラ3に独占契約で搭載されるのが、
パナソニックの2170型円筒形LIBです。
来年以降、年間50万台生産予定ですが、ということは、現在の全メーカーのLIBの生産量以上が必要であり、この生産量をパナソニックがギガファクトリーで生産することから、
どれだけ期待値が高いかがわかります。
EVにおけるLIBは、ガソリン車のエンジンと同じであり、
コアテクノロジーですが、自動車がいよいよモジュール化され、従来からのヒエラルキーが大きく崩れることになります。
フランスに続き、英国も2040までに、ガソリン車、ディーゼル車を
廃止することを考えると、この動きは加速しそうです。
LIBのメインプレイヤーは、パナソニック、LG化学、サムスンであり、
日韓が再成長する起爆剤になれればいいですね。
引用
米EV大手のテスラと共同運営で電池を生産する米ネバダ州の大規模工場は現在、1期目の工場建設と生産ライン敷設を同時に進めている。テスラ側は増産を急ぐ姿勢で、パナソニックと第2期工事の調整に入った。2期工事が完了すれば、生産能力は最大で1.5倍になるという。