ポテチの販売を止めたカルビーの思惑とは?
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タイトルがあたかもカルビーがポテトチップスを終売するかのようなミスリーディングであるのは置いといて、ここで「思惑」とする本稿の推測が事実であるならば、企業として見習うべき判断と言える。
カルビーはその売上の30%を支えるポテトチップスの厳しい品質管理が、自らのブランドを支えていることを誰よりも知っている。ブランドにとって、最も大切なのは、そのブランドを支える消費者の期待を裏切らないことであり、だからこそカルビーは売上だけでなく、そのブランドイメージを支える品質管理を徹底して行っている。その品質管理をクリア出来ない限りは売らない、というのは消費者裏切らないということを最優先するならば、極めて英断といえる意思決定だ。
それに加えて、本稿で触れられているのが、消費者にポテトチップス離れというトレンドを見越しての、新しい柱へのシフトである。事実、フルグラはシリアル市場で圧倒的なシェアを誇り、健康志向が加速する食品市場においてポテトチップスに変わる有望プロダクトだ。販売停止という危機ないしリスクを、商品ポートフォリオの組み替えの機会とするまでに「思惑」が本当にあるとしたら、非常にしたたかであると言わざるを得ないだろう。
日本企業の多くを覆うイノベーションのジレンマは結局、既存コア事業が将来はダウントレンドであることが分かっていながら、当面は稼ぐに困らないからであるが、このような危機を奇貨として勇気ある判断下すことが、多くの日本企業に求められるのではないだろうか。(もちろん、本稿の考察が事実ととしたら、という前提ではあるが)タイトルがミスリーディングだと思います。一部製品の販売休止・終了にすぎないのに、これではポテトチップスを全面的に販売休止というようにとれます。
カルビーの3Q決算説明会では「2017年3月期使用量の目処はついた」「6月までは影響が続くが、夏以降は馬鈴薯の収穫が始まるため解消する見込み」といっています。
原材料不足というより、歩留まりが悪化して原価率は上昇していることなどから、ラインナップを絞って利益改善を図っているのではないでしょうか。
フルグラを中核事業の一つにする方向性はその通りでしょうが、去年からポテトチップスクリスプを発売していますし、ポテト系スナックを捨てる方向ではないと思います。なるほどなぁ。
タイトルに「思惑」と入ってるからネガティブな話なのかなと思ったら、個人的な印象ともそれほどズレてない記事でした。
素人目に見るとジャガイモが日本で不作なだけなら海外から買えば良いじゃん、とつい思ってしまいがちではあるんですが。
ポテトチップスって、素材の風合いが思いっきり製品にそのまま反映される商品なので、恐らく質の悪いジャガイモ使うと顧客はすぐに気がついちゃうんですよね。
それでも普通の企業なら、主力商品の販売を維持することを最優先にあの手この手を考えると思うんですが、顧客に満足してもらえない商品を売るぐらいなら休売にするという判断ができるのがカルビーさんならではの逸話かなと感じます。
弊社はカルビーさんのお仕事もお手伝いさせて頂いてますし、個人的にもカルビーの社員の方に知り合いが多いのでバイアスが入ってるのはひていできませんが。
短期の業績にネガティブな影響が出て、短期投資家からあれこれ言われる可能性が高い選択でも、長期の顧客からの信頼や会社としての譲れない一線を重視した選択ができるのが、カルビーさんらしいなと感じる今日この頃です。
もちろん、社内の方からすると想像を絶する大変さがあるのは間違いないですが、こういう危機にこそ新しいヒット商品が生まれる可能性もあると思うので、今後の展開に注目したいと思います。