日本人が知っておくべき朝鮮半島リスク

2017/4/12
連載の第3回は、日本人が知っておくべき朝鮮半島をめぐる安全保障リスクの基本について、マンスリー・プロピッカーの武貞秀士拓殖大学大学院特任教授と神保謙慶應大学准教授へのインタビューを元にNewsPicks編集部がまとめた。

北朝鮮、4つのリスクシナリオ

まず具体的なリスクについて、武貞氏が想定するシナリオは、可能性のある順番に次の4つだ。
ポイントは、「過信」や「誤認」といった、認識の問題をきっかけとした事態の悪化(エスカレーション)のリスクが高いと分析している点である。
内部崩壊のような派手なシナリオよりも、日常的な軍の動きが「誤認」、あるいは、相手の動きを「誤算」してしまうことが有事の引き金になり得ることが示唆されている。
(1)北朝鮮が実力を過信した冒険的行動をとる
最近の北朝鮮は、本来の実力以上の自信を持ってしまっている。その過信に基づいて北朝鮮が韓国、あるいは在韓米軍に対する軍事行動を起こしてしまうケース。
(2)北朝鮮による誤認・誤算
北朝鮮が米韓軍事演習などでの韓国軍や在韓米軍の動きに対して、攻撃や挑発と誤認して攻撃を行うケース。