なぜ日韓は慰安婦問題で分かり合えないのか

2017/4/5

日本の政治学は世界の潮流と真逆

入山 前回は、現在の国際政治学のメインストリームであるポジティビズム(実証主義)では説明できない現象が起こり始めたことで、アメリカでは規範や理念といった共通意識に焦点を当てたコンストラクティビズム(構成主義)というアプローチが生まれた、というお話がありました(注2)。
(注2:ポジティビズム/権力や経済的利益の追求をもとに国際政治を読み解く方法、コンストラクティビズム/物質的ではない規範や理念にも注目して国際政治を読み解く方法)
この動きが世界的に広まることはなかったのですか?
細谷 コンストラクティビズムは、イギリスではポスト・ポジティビズムに含まれることが一般的であり、物質的ではない規範や理念などに注目して国際政治の動きを説明しようとする理論です。