【垣内社長】三菱商事は、もはや「商社」ではない

2017/3/13
2016年4月の社長就任後、「事業投資」から「事業経営」へのシフトを打ち出してきた垣内威彦社長。これからの三菱商事は、これまでの三菱商事とどこが違うのか。「事業経営」とは具体的に何を意味するのか。経営のプロをどう育てようとしているのか。三菱商事の未来像と、三菱商事型「経営人材」のビジョンについて聞いた。

経営人材になる以外に未来はない

──今回、特集に「三菱商事3.0」というタイトルを付けました。その狙いは、トレーディング中心の「三菱商事1.0」の時代、事業投資中心の「三菱商事2.0」の時代から、事業経営中心の「三菱商事3.0」の時代へのシフトを表現することにあります。3.0というネーミングは、さすがに大げさでしょうか。
まあお好きに。コメントしようがないですが、いいのではないでしょうか。
──2016年4月に社長に就任してから、ほぼ1年が経ちました。「事業経営」へのシフトに関して、現時点でどの程度の手応えを感じていますか。
三菱商事が過去から今日に至るまでにやってきたことを冷静に振り返ると、最初は「売ったり買ったり」のトレーディングの商売から始まりました。
製造メーカーのモノを買ったり、原材料をメーカーに売ったり、というところからスタートしましたが、それだけでは口銭商売ですので限界があります。
そして、昔は英語がしゃべれたり、海外にお客様をお連れしたり、ということにそれなりのバリューもありましたが、それも陳腐化してしまいました。