石川善樹【前編】発想法は人に聞くもんじゃない。自分で考えろ

2017/2/27

得意な人と組むのが一番

──石川善樹さんは予防医学の研究者として様々な企業と組んで活動しています。イノベーティブな発想はどうしたら生まれるでしょうか? ビジネスパーソンに役立つ思考法のアドバイスをお願いします。
うーん……自分がイノベーティブかどうかはさておき、思考法のアドバイスですか。こう言うと身も蓋もないですが、難しいんじゃないでしょうか(笑)。
得意・不得意があるので、イノベーションが得意な人と組むのが一番だと思いますよ。
石川善樹(いしかわ・よしき)/予防医学研究者、医学博士
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部を経て、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。専門は行動科学、ヘルスコミュニケーション、統計解析など。キャンサースキャン、Campus for Hの共同創業者。ビジネスパーソンを対象にしたヘルスケア、ウエルネスの講演、執筆活動を幅広くおこなっている。著書に『友だちの数で寿命はきまる』『疲れない脳を作る生活習慣』『ノーリバウンド・ダイエット』などがある。
たぶん、ご質問されている「イノベーション」って、かなりレベルが高いイノベーションのことですよね。本当にそれを起こしたいなら、修業が必要でしょう。
たとえばプロのカメラマンに、「文章を読んだだけで、どうしたらプロのカメラマンになれますか?」と聞くのと近いですよ。
──でも、ある程度の基本はありますよね。いいカメラを買って、構図のパターンを覚えて……とか。
うーん……たぶん「自由に発想すればいい」ということに尽きますよ。
やみくもに型なりフレームワークを覚えてしまうと、それに引きずられてイノベーションはむしろ出にくくなると思います。
ほら、SWOTとかみんな好きじゃないですか。でもそれ自体が何かイノベーションを生み出すわけではないように。
──そう言わず、何かヒントだけでも教えてください。
うーん……個人的には、「いかに発想するか?」という大事なことは、人に聞くもんじゃないと思うのです。
──どうしてですか?