2度目の「大阪万博」へ経済効果の皮算用。ライバルはパリ
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注目のコメント
2020東京五輪はリーマンショック後、日本に国家目標が見えなくなっていて国民が自虐的な気分に陥っていたときに未来に希望をつくらなければとの思いから招致に懸命になったのでした。その後のごたごたは森組織委員会長というミスキャストの問題です。小池知事を応援しながら解決できるものは解決していくつもりです。
国家には目標が必要です。大阪万博は、長寿社会のなかでどんな希望を見つけるかに尽きます。2020後の虚脱感には2025という目標は必要です。また万博やるのかという、ありがちな否定論では前に進みません。副首都としての大阪から国家改造を考える、そういうコンセプトと重ねて万博をやればおもしろくなります。小室さんのインタビューを同時にお読みいただけたらと思います。
http://csuimeiko.jp/post/112毎度おなじみチワワの「記事の常識を疑え」のコーナーです。
議論の叩き台となるべき記事が「経済効果とは何か」という基本を押さえてないので、全くお話になりません。
6兆円というお化けみたいな数字が経済効果とされているということは、その定義は万博開催による直接的な経済効果(来場者の消費、交通、宿泊等)ではなく、かなり広い定義の経済効果を言っていることは疑いようがないです。
おそらく、その大多数(少なくとも半分以上)が公共部門を中心とした交通基盤整備費(高速道路等)と思われます。
そもそも、万博開催の「費用と経済効果」が、「コストとリターン」みたいな文脈で使われていること自体が間違いです。
経済効果とはGDPへの影響のことであり、交通基盤の整備等にカネを使えば、それは「万博の費用」であると同時に、(公共投資による)GDPの押し上げ、つまり「経済効果」なのです。
つまり、万博の「費用」と「経済効果」が、記事にあるように「2,000億円」と「6兆円」みたいにかけ離れた数字になること自体あり得ません。
案の定よく見ると、記事では「運営費だけで2,000億円」と書いてあり、我々が万博開催の費用としてイメージする包括的な支出ではなく、万博会場や準備組織の運営コストというごく狭い定義の直接的な費用を切り出して、6兆円という数字と比較しており、とんでもない誤謬(夢物語)となっています。
蛇足ですが、2005年の愛地球博(愛知)の経済効果は3.5兆円でしたが、このうち2.8兆円(全体の8割)は東海環状道、第二東名、名古屋高速道路、中部国際空港、空港周辺道路等への公共投資(一部は民間)でした。大阪万博についてのビックでは何度かコメントしていますが、今回の万博招致って、2008年オリンピック招致を目指して整備した人工島、夢洲が招致失敗で丸ごと不良債権になったのをなんとかしようと、まず統合リゾート型カジノを誘致しようとし、それもめどが立たなくなって今度は万博というパターンなんですよね。
正直、こんな泥縄な計画でうまく行ったら奇跡としか言いようがありません。
2000億の投資で経済効果6兆円とか、夢みたいな計算をしている時点で、恐らくまともな試算がされていないのがミエミエです。
しかも、IRにしろ万博にしろ人の懐をあてにして、大阪府はほとんど負担しなくていいという皮算用ですが、本当にそんなに都合よく行くものかと疑問に思います。
あの広大な不良債権をどうにかしようという気持ちはわからないでもありませんが、こういう一過性のイベントに頼った、理念なき都市開発の行く末は、結局、更に不良債権を増やすだけの結果に終わるような気がするのです。
(追記)
チワワさんのコメントがまさに正鵠を得ていると思います。
費用を過小に見積もり、効果を過大に喧伝する政策はかならずどこかに隠さなければならないこと、誤魔化そうとしていることがあるのです。
以前住んでいた大阪が良くなってほしいという個人的な思いはありますが、しかし、大阪万博からはどうもそういう誤魔化しの匂いがしてならないのです。