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注目のコメント
中国語と現地事情に精通した野嶋さんらしい記事。福原さんの結婚を芸能・スポーツ紙的に取り上げるのではなく、現地目線での分析が興味深い。現地語を使える地域専門家がその地域をどうみるのか、という好例。
言葉の重要性は、私もマレーシア語という「マイナー」な言語を大学で専攻し、その後外務省でも専門語学としてきたのでよく分かる。中国語/台湾語よりもマイナーな存在だろう。しかも、マレーシアは、旧英領植民地ということもあり、英語がとても良く通じる。
そうしたなかで、日本人からは「マレーシア語を勉強しても意味がない」と22年に渡り言い続けられてきた。未だに言われる(そういう人に限って、英語でのコミュニケーションも怪しいのだが)。
しかし、マレーシア語を話せることでマレーシア人との心理的な距離は一挙に縮まる。マレー系だけでなく、華人系やインド系が相手であってもそれは同様。英語と中国語の使用範囲が多い、今住んでいるシンガポールでも、国語と指定されているマレー語(マレーシア語と同じ)を話せることは、話のネタになるし、現地への理解を示そうという姿勢につながる。さらに人に紹介されるときに、「国語であるマレーシア語が話せる川端さん」と紹介されるので覚えられやすい。
幸い、マレーシア語はインドネシア語とも近い(もともと、緩やかな共通言語「リンガフランカ」として島嶼部東南アジアで広く通商語として使われていたため)。先日、某所で英語でインドネシア人向けに話をする機会があったが、その際にインドネシア語も交えながら話したらば、インドネシア人からの関心の向けられ方が違うと感じた(インドネシア語が分からない日本人もいたでの基本は英語)。マレー語とインドネシア語は違う単語もあるが、その違いを強調するように話したりすることも場が和やかになる。
かつ、福原さんの場合は、野嶋さんが指摘するように、現地の人をノックアウトするような、古き良き言い回しが入っている。これは、私の場合、マレー語のことわざだったり、日常的な冗談で使われる表現を混ぜることに近いと感じた。
おそらく、会見で意識的にそうした表現をつかったのではなく、普段から現地文化や人々への敬意を持って接しているからこそ、普通に口から出てきて、現地の人々にも届くのだろう。語学力そのものよりも、現地文化と人々に対する敬意が一番大切。外国人が方言を使ったらそれだけでフレンドリー。
これはよくわかります。以前仕事のパートナーに関西弁を使い阪神ファンだったアメリカ人がいました。人は見た目が9割と言うけど、第一印象でかなり引き込まれましたし、あまりに自然な「儲かりまっか」には毎回笑わされました。もちろん長い付き合いが続けば、中身の議論になるわけですが、彼は日本のビジネスに置いてどれだけ得をしたことか。関西の方には失礼ですが、流暢な関西弁を使い、公式の場ではたどたどしい共通語を話し、テクニカルな論理的な話をする、というのは衝撃です。
ちなみにかなり固い緊迫した場面でポロっと関西弁が出てしまった時のその場にいたみんなの緊張がほぐれるシーンは毎回楽しみでしたね。
言語で1番大事なことは相手の国を好きになり、相手のことを知ろうとすることだと思います。自分たちのことを知ろうとしてくる相手を嫌いになる人はまずいませんよね。象徴的な事例があることで、色々なことが良い方向にも悪い方向にも進む。そして記事を読んで、自動翻訳とかはコミュニケーションのツールとしてとても強い武器だけど、やはりそれだけではないものがコミュニケーションではとても大きいとも感じた。
昔は、時計は時間をしるという機能のための機械だった。でもクオーツ時計ができて、その機能はとても安く達成できるようになり、また携帯も当たり前となった。そのなかで時計はファッションアイテムや貴金属と同様な位置づけに、少なくとも金額市場面では変化している。コミュニケーションも機能としてもちろん重要だが、それ以上のものがとても大きいものだと思う。