課題山積のフィリピン政治 ドゥテルテ大統領の意図を探る

2016/9/1

滑り込みで立候補したドゥテルテ氏

2016年5月9日。フィリピン大統領選という「フィエスタ」は頂点を迎えた。開票結果はダバオ市長のロドリーゴ・ドゥテルテ、愛称ルディが当選。
「世界で最も危険な都市の1つ」と呼ばれたダバオを「世界で最も安全な都市の1つ」に生まれ変わらせた男。1945年生まれの71歳だが、エネルギッシュな人物で「ダーティーハリー」とも呼ばれる。
ドゥテルテは大統領選の立候補締め切りが迫る2015年11月下旬になってから、滑り込みで立候補を表明した。
今回の大統領選は、アキノ前大統領の後継者マー・ロハス元内務自治相、グレイス・ポー上院議員、ジョジョマール・ビナイ副大統領(大統領選当時)の三つ巴とみられていた。
筆者も NewsPicks特集の2016年大予測で、フィリピン大統領選を2016年のASEANの注目点として触れた。ただ、脱稿時にはドゥテルテの立候補は噂されていたものの、正式には意思表明がされていなかった。
ドゥテルテが立候補を表明すると支持率が急上昇しはじめ、当初は本命とみられていたグレイス・ポーを引き離して当選、第16代フィリピン共和国大統領に就任した。