【川邊健太郎】Yahoo! JAPAN経営陣を歴史の人物にたとえてみたら
2016/07/09, NewsPicks編集部
部下の抜てき(ばってき)をうまくやる秘訣
【川邊健太郎】Yahoo! JAPAN経営陣を歴史の人物にたとえてみたら
2016/7/9
*連載目次
第1回:失敗は「増長」と「自己肥大化」から生まれる
第2回:ビジネスに持ち込む仮定は1個にしろ
第3回:「ネット乱世」を生きる術
第4回:Yahoo! JAPAN経営陣を歴史の人物にたとえてみたら
第5回:信長はベンチャー起業家だった
伊東潤が専業作家に転身した理由
川邊:ところで伊東さんは、いつ作家になろうと決めたのですか?
伊東:実は、そんなに昔ではないんです(笑)。
お城のホームページを立ち上げようとして、2002年ごろから何かを書き始めたのがきっかけなんですが、そうしたら言葉がどんどん出てきて小説らしきものになっていたんです。
それで趣味で小田原北条氏の小説を書いていたら、地元の方の紹介で小田原の本屋さんに読んでいただくことができて、そこの社長から出版社を紹介してもらい、本を出すことができたんです。
本になったので、その頃、勤めていたコンサルティング会社の社長に献本したところ、「面白い」ということになり、そこから角川書店に話をつないでもらい、デビューに至りました。
当時から、こうした持ち込みデビューは難しかったのですが、やはり人脈を生かせたのが大きかったですね。
それで2010年から専業作家になりました。2006年からはコンサルティング会社をやっていたのですが、2008年のリーマン・ショックで顧客をすべて失い、食べていけなくなったので、「よし、それなら作家になってやろう」と決意しました。
人の運命とは不思議ですが、こうした思いきったキャリアチェンジが図れたのは、それ以前に、ある決断ができずに失敗したからです。
私には1989年にもIBMからオラクルに移るチャンスがありまして、熱心に誘われていたのですが、決断ができず残留の道を選んだのです。
ご存じの通り、後に日本オラクルは東証に上場を果たしたので、あの時に移っていれば、ほぼ創業メンバーとして莫大(ばくだい)なストックオプションを得られましたからね。
川邊:なぜですか?
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コメント
注目のコメント
お読みいただきありがとうございます。
本日の歴史とリーダーシップでは、作家・伊東潤氏の小説の書き方が明かされます。そして、その方法にはビジネスに通じるものがあると川邊氏が応じます。
とりわけ、「歴史小説」という書き方それ自体に、ビジネスの考え方に通じるところがあるのでしょうね。ビジネスを経験していた伊東氏だからこそ、私たちにとっても有意義かつ納得できる教訓を語れるのだなと感じました。
ぜひ、ご一読ください。今回のポイントは、
「人生にチャンスは幾度もあるわけではない」
「物事を構造的に捉える」
「固定観念を取り払う」
といったところでしょうか。
難しいのは「物事を構造的に捉える」ですね。
補足すると、今と違って戦国時代は情報が断片的に入ってきて、それが正しいかどうか分からないわけです。
それでも、いくつもの情報を真説(間違いない情報)、正説(確度の高い情報)、惑説(敵が流している偽の情報)、雑説(単なる噂話)などに分類して吟味すると、全体像が見えてくるのです。
それによって軍事行動を起こすから、見込み違いが起きにくい。
後北条氏は四代氏政の頃になると、ひじょうに保守的になっていくのですが、書状で「それは本当なのか」的な情報の確認が極めて増えていきます。
おそらくそれらの情報を吟味して、物事を構造的に捉え、行動に移していたのでしょうね。小澤さんの高杉晋作は中身はともかく、外から見ると本当にそう見えます。何かやってくれそうな雰囲気ありますよね。
そう考えると黒田官兵衛役はだれなんだろう。ひょっとして川邊さん自身かもしれないです。