【伊佐山元】シリコンバレーで考える、IoT時代の勝者の条件

2016/6/1
第4次産業革命はビジネスをどう変えるのか。シリコンバレーでは、IoT関連でどのような動きが起きているのか。日本企業はどう世界で差別化すべきなのか。シリコンバレーにおける最新事情も含めて、シリコンバレー在住の伊佐山元WiL社長が語る。 

IoTと文化

「第4次産業革命」というのは小さなブームではない。10年後、20年後の雇用や教育が変わる、大きなテーマと言える。
1990年代前半にインターネットが生まれて、過去20年間、インターネットは多くの情報を可視化し、われわれの生活に大きなインパクトをもたらした。
ただし、インターネットでつながっている情報は、世界中の情報の割合でいうと、まだ10%程度にすぎない。残りの90%の情報は、まだインターネットにつながっていないもの、つまりは、モノに眠っている。
あらゆる固定資産、モノにセンサーが入ることによって、今まで見えなかった80%、90%の情報がすべて「デジタル」という同じ言語で解析できるようになる。それがIoTだ。
では、その新しい情報を既存の情報と組み合わせることにより、何が起きるかというと、米国でも欧州でもその結論は出ていない。まだ試行錯誤の状況だ。
AIやIoTに対するアプローチには、国ごとの文化の違いが現れている。