(ブルームバーグ):中国の化学メーカーである中国化工集団(ケムチャイナ)は、スイスの農薬・種子メーカー、シンジェンタを430億ドル(約5兆1600億円)余りで買収することで合意した。中国企業による過去最大規模の買収となる。

3日の発表資料によると、非上場の中国化工はシンジェンタ株を1株当たり現金465ドルで買い取る案を示し、シンジェンタ取締役会は同案の受け入れを支持した。買収価格はシンジェンタ株の2日の終値(392.30スイス・フラン=385ドル)を約20%上回る水準。

買収が完了すれば、ケムチャイナは世界最大の農薬メーカーとなる。シンジェンタとの合併を目指す米モンサントの取り組みは頓挫することになる。ケムチャイナの提案はまた、中国政府が農業生産を増やすため種子や穀物栽培の技術を重視していることを示す。

発表によれば、ケムチャイナ案ではシンジェンタの経営陣は続投し、ケムチャイナの任建新会長が率いるメンバー10人の取締役会には現在のシンジェンタ取締役会から4人が参加する。数年内の新規株式公開(IPO)の可能性も検討するという。

買収は年内に完了する予定だという。

原題:ChemChina Agrees to Buy Syngenta in Record $43 Billion Deal(抜粋)

--取材協力:Jonathan Browning.

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