バリューとは何か──社長時代に考えた10の社是案

2015/11/17
第21回では、朝倉氏がバリューについて語るとともに、社長時代に考えた10の社是案をNewsPicksで初公開。そこに込めたメッセージとは。

「バリュー」は何を指し示すのか

前回は、企業を取り巻く価値観について触れ、その中でも特に「ミッション」についての持論を述べました。
「ミッション」とともによく挙げられる概念として「バリュー」があります。なんだかファーストフード店のお得なセットのような響きですが、今回はこのバリューについて考えてみたいと思います。
この手のふわっとした用語は話し手によって言葉の解釈が異なり、なかなか議論がかみ合わないものです。正解があるわけではないのですが、「ミッション」については「組織が何をするために存在しているのか、何のために人々がその組織に集まっているかを指し示す言葉」であり、組織にとっての「存在理由」であるという私の解釈を述べさせていただきました。
対して「バリュー」とは一体何を指すのでしょうか? こちらも我流の解釈を披露させていただくと、「バリュー」とは、「ミッション」を実現するうえで組織が重視する考え方や、やり方、流儀、行動規範のようなものであると捉えています。
少々くだけた言い方をするならば、組織の「ノリ」を言語化したものではないでしょうか。週刊少年誌に登場するグループであれば、おおかた「友情、努力、勝利」といったあたりでしょう。
組織が継続して走り続けるうえでは、「その組織が何をするために存在するのか」を定める「ミッション」よりも、「その組織の行動規範、ノリはどんなものか」を表す「バリュー」の方が実は重要なのではないかと思っています。