グーグルの検索エンジンは偏見のない仲介者なのか
2015/09/11, Bloomberg Businessweek
Vol.3:グーグルはなぜ欧州で敗れたのか
グーグルの検索エンジンは偏見のない仲介者なのか
2015/9/11
現在、グーグルが欧州で試練の時を迎えている。今年4月、欧州委員会がグーグルの検索サービスが独占禁止法に違反するとの見解を表明。EU側は、グーグルが圧倒的な検索のシェアを利用し、自社のショッピングサービスを競合相手のサービスよりも不当に優遇していると主張している。なぜグーグルはこれほど欧州で劣勢に追い込まれたのか。その背景を、ブルームバーグ・ビジネスウィークのブラッド・ストーン記者とヴァーノン・シルバー記者が描く。
Vol.1:15カ月で欧州を失ってしまったグーグルの誤算
Vol.2:「くたばれグーグル」。とまらない欧州での支持低下
中立性を放棄したグーグル
これは哲学的な変化と言っていい。CEOのラリー・ペイジと彼の同僚は長年、グーグルの検索エンジンは偏見のない仲介者であり、最も有益で評判の高いサイトに利用者を導くと主張してきた。しかし今では、まったく中立でないケースも見られるようになった。
同社は、こうした変更によって利用者の体験が向上したと強調する。エリック・シュミットは米上院の反トラスト小委員会で、「われわれが答えを知っている場合には、すぐに回答したほうが別のところをクリックしなくて済むので、消費者のためになる」と証言した。
シュミットはまた、アルゴリズムが選んだ上位の検索結果は、引き続き同じページの少し下のほうに表示されていると述べ、グーグルの使用を強制されているわけではないと述べた。クリックさえすれば競争相手のサイトにたどり着けるのだ。
その後数年間、グーグルは「ワンボックス」のようなツールを導入して、自社のコンテンツを目立たせようと努めてきた。ワンボックスは、検索結果のトップに表示されるボックスで、特定の質問に答えるものだ。
同社はまた、ほとんど使われていないソーシャル・ネットワークである「Google+」からのレストランや人気の高いホテルの情報などの検索結果を、プロフィールのページや連絡先の情報、顧客のレビューに統合し始めた。
ほとんどのケースで、こうした情報はもっと包括的なデータを持つレビューサイトのイェルプや旅行サイトのトリップアドバイザーなどのWebサイトへの青いリンクよりも上に表示された。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
営利団体である検索エンジンが偏見を持つのは構わないが、偏見がないように見せるのは問題。
テレビは公共の電波を使っているため純粋な営利団体とは言えない。だからこその規制がたくさんある。しかし、Googleの検索エンジンは誰も利用料を取っているわけではない。
あとは、消費者から選ばれるかどうか。グーグルが独占的な地位を利用して行っていることが、最終的に消費者の利益に合致するのか。一つのプラットフォームで結びついているからこそ提供できる利便性もある。一方で、消費者にとってもっと使いやすいイノベーティブなサービスがグーグルの恣意性のせいで発展しないおそれもある。MicrosoftがWindowsとIEで問われたことと問題の本質は一緒です。極めて難しい問題です。
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