[東京 9日 ロイター] - 日本マクドナルドホールディングス <2702.T>は9日、8月の既存店売上高が前年同月比2.8%増になったと発表した。昨年1月以来19カ月ぶりにプラス転換した。昨年7月下旬に使用期限切れの鶏肉使用が明らかになり、昨年8月は同25.1%減と大きく落ち込んでおり、低くなっていたハードルをようやく超えた。

8月既存店の客数は3.3%減で28カ月連続マイナス。一方、客単価は6.3%増で14カ月ぶりにプラスとなった。

同社では「依然として食の安全・安心にかかる一連の問題の影響が残るなど、本格的なビジネス回復には至っていない」としている。

16年12月期には年間で既存店売上高プラスを目指している。

既存店売上高がプラスとなったものの、水準はなお低い。同業のモスフードサービス <8153.T>の8月既存店売上高は9.3%増。また、ケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス <9873.T>)は同19.6%増となっており、ともに4カ月連続で増加している。

今月4日には、「抹茶ラテフラッペ」にプラスチック片が混入、女性客が口の中に軽いけがをしたことが判明した。ファミリー層の取り込みを進めている同社にとって最も大切な安全確保、それに伴う信頼回復に水を差した格好となった。

(清水律子)