ブリヂストン vs. ミシュラン。王者ブリヂストンの収益は5年後も盤石
2015/08/21, NewsPicks編集部
タイヤ業界の世界No.1 vs. 日本No.1
ブリヂストン vs. ミシュラン。王者ブリヂストンの収益は5年後も盤石
2015/8/21
日本で頂点に立つ企業と世界トップの実績を誇るグローバルカンパニー。両社にはどれほどの差があるのか。日本と世界の距離はどの程度、遠く、近いのか。主要な業種・業界における世界のNo.1と日本のNo.1を比較する本連載。アナリスト集団、Longineのアナリストがデータと自らの見識をもとに分析、日本企業が将来、世界トップに立つ確率も予測する。第9回はタイヤメーカー。ブリヂストンとミシュランを比較する。
かつては3大タイヤメーカーで世界シェア60%
自動車部品の一部であるタイヤは、自動車には欠かせない。ほかの自動車部品とは異なり、タイヤメーカーは非常に多く存在する。自動車のみならず、2輪車、自転車、機械用などを含めれば、無数のタイヤメーカーが世界に存在する。
そんな中、長年にわたって世界の3大タイヤメーカーと呼ばれてきたのが、ブリヂストン(日本)、ミシュラン(フランス)、グッドイヤー(米国)の3社だ。
ひと昔前まで、この3社は突出しており、3社合計の世界シェアはほぼ60%以上だった。上位3社で世界シェア60%以上と言うのは、タイヤメーカーよりも社数が圧倒的に少ない自動車メーカーと比較しても、驚くべき状況である。
ちなみに、4位以下のピレリ(イタリア)、コンチネンタル(ドイツ)、住友ゴム工業(日本)などを含めた上位8社で、世界シェアの80~85%を占めていた。
大きく変わったタイヤ業界の勢力図
しかし、この15年間でタイヤ業界の勢力図は、着実に変わってきた。
まず、新興国市場の急速な拡大に伴い、中国やインドの新興タイヤ企業が続々と登場。商品力にやや問題があるとはいえ、地元市場を中心にシェアを伸ばしてきた。その結果、上位タイヤメーカーは販売を伸ばしながらもシェアは低下し続け、3大タイヤメーカー合計の世界シェアは40%を割り込んでいる。
また、4位以下の中堅メーカーでは、海外メーカーを中心に収益悪化が著しく、実質的な身売りの動きも起き始めてきた。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
特にファイアストンの買収に注目したい。下記の同社のHPに、買収時のストーリーやその再建の苦労が書かれている。1988年に買収したが、買収合戦もあり価格も高くなり、買収後はGMに調達打ち切りが発表され、また訴訟問題もあった。しかし、そこでリスクを取り、苦しみながらも再建して、現在があるのは間違いがない。
海外買収しても思い通りになっていない企業は多いだろう。時間が解決してくれるものではもちろんないが、一方で努力と時間を経て再建されたケースがあり、現在苦しい企業もそうなってほしいと願う限り。
http://www.bridgestone.co.jp/corporate/history/story/08_01.html中国、韓国メーカーも勢力を広げつつあるが、価格の差に負けない技術力を持っている。
大型の建設機械のように1つ5トンもあるようなタイヤをつくれるのは、世界で、ブリヂストン、ミシュランの2社のみ。
怖いのは、車業界、建設業界など、供給先の勢力図が変わることのような気がします。