エヌビディア、驚異の59万1078%リターン-時価総額世界一までの道
AI要約
- 11999年の半導体業界ではインテルが圧倒的な強さを誇っていたが、エヌビディアが上場し、S&P500種株価指数に採用されるまでの道のりが紹介されている
- 2エヌビディアは時価総額で世界最大の企業になり、その株価が50%以上下落することを我慢するなどの困難を乗り越えた
- 3エヌビディアの技術革新やビジョンにより、ライバルよりも優れた半導体を製造し、業界のトップ企業に成長した経緯がまとめられている
コメント
注目のコメント
Nvidiaが創業した1990年代初期、PC上でのリアルタイム3DCGの描画は大半がCPU上でソフトウエア的に処理されていました。
他方でハイエンドでは巨大な基盤にチップを沢山並べて3DCG処理をハードウェア化したグラフイックスパイプラインが商用化されていました。
代表例がSilicon GraphicsのRealityEngineで、論文中のブロック図そのままにチップが巨大な基盤2枚の上に並んだ、見えるグラフイックスパイプラインとも言えるもの。
このRealityEngineで示唆的なのは、前段のジオメトリエンジンという部分がIntelのi860XPというRISCプロセッサを沢山並べて構成されていた点です。i860XPはVLIWという癖のある設計ですが、一応は汎用のCPU。
ジオメトリエンジンの仕事は基本的にベクトルや行列の計算。これを高価なCPUを並べて実現するのは当時必要だった力業とはいえ、GPUのチップ内に沢山並んだプロセッサが様々な用途に用いられる汎用GPU(GPGPU)という将来像を示唆するようで面白いです。
Nvidiaの初期のGPUは、RealityEngineのような多数のチップで構成されたパイプラインの部分部分を段階的に一つのチップに統合し、CPU上のソフトウエア処理を置き換えていった歴史です。
ゲーム分野の旺盛な需要に支えられて成長したNvidiaのGPUはSilicon Graphicsを駆逐し、やがてグラフィック専用ではなく他の用途も視野に入れたGPGPUへと進化します。
初期のGPGPUの用途は物理シミュレーションなどでしたが、暗号通貨やAIなど当時のホットな用途をつかみIntelを凌ぐ企業に成長しました。
他方でその歴史の最初に立ち戻ると、後付けの視点では確かにイノベーションの種が懐にあったのに何故Silicon Graphicsはその機会を掴めなかったのか、色々考えさせられます。
(追記)
研究室では最後の世代のIRIX機が稼働したので個人的にも思い入れは強いです。
SGI社内では皆「イノベーションのジレンマ」を読むように言われていた、という証言で始まるHNのスレッドが興味深いです。解っていても凋落は避けられないとは。
https://news.ycombinator.com/item?id=39944496エヌビディアの3Dグラフィック技術の原点は、サンノゼのコーヒーショップ、デニーズで創業者3名が議論したことにあります。彼らの席は、シリコンバレーのスタートアップの伝説の席になっています。ファブレス半導体、コンピューティング、そしてAIへと進展してきて、今があります。
今回エヌビディアは時価総額でマイクロソフトを抜きましたが、マイクロソフトはOpen AIに投資しており、Open AIはエヌビディアのGPUを使います。何なら時価総額3位のAppleも今後の製品にAIを実装する。つまりこの3つは戦うというより、ともに成長するようなイメージを私は持っています。
時価総額で続くAlphabet(Google)とAmazonがどこまでAIにキャッチアップしているかはそこまで詳しくないですが、この5つのアメリカ企業はどのような勢力図になっていくか、注目ですね。