2024/5/29

【独占】登山ベンチャーが仕掛ける、新たな「保険」が面白い

NewsPicks編集部 記者
信頼を失いつつある保険業界に、一石を投じたい──。 
電波が届かない山の中でも、GPSで現在地とルートが分かる登山アプリYAMAP。
国内登山人口の約66%にあたるダウンロード数を誇り、月間アプリユーザーの約2割が有料課金している、熱狂的なファンを持つサービスだ。
そんなYAMAPが5月28日、損害保険会社の設立を発表した。
ヤマップの春山慶彦CEO(右)と新設した保険会社の木村彰宏社長
保険業は免許制で、東京海上日動や損保ジャパンなど大手が寡占する市場だ。そこに異業種のベンチャーが参入するのは極めて異例のこと。
「130社以上回って、ようやく保険会社設立の資金を調達しました」(春山慶彦CEO)
なぜYAMAPはそこまでして、保険会社の設立にこだわったのか。経営陣に取材すると、登山というニッチな領域で大きなビジネスを作っていくための、したたかな戦略が見えてきた。
NewsPicksは、春山CEOと新設した保険会社のトップへの独占インタビューに成功。
YAMAPだからこそ作れる、新しい保険ビジネスとは。データを活用したユニークな商品の構想から、マネタイズのポイント、既存事業とのシナジーの出し方まで、その戦略を詳しく解説してもらった。
INDEX
  • 登山ベンチャーが「保険」をやる理由
  • ベンチマークは「テスラの保険」
  • 損保ジャパンの「エース」が入社
  • 「データがある」だけでは稼げない
  • 市場規模は「500億円」
  • ユーザーの「行動」を変える仕組み
  • 「130社」を回って資金調達