[東京 4日 ロイター] - コニカミノルタ<4902.T>は4日、情報機器・ITサービス会社のシムクエストグループ(SymQuest Group/本社:バーモント州・メイン州)を買収したと発表した。複写機の単品販売から脱し、企業の文書管理などITサービスを強化する。

米国東部の現地時間2日に契約した。関係者によると、買収額は数十億円規模。シムクエスト社は、米国の北東部(バーモント州、ニューヨーク州、ニューハンプシャー州、メイン州)で、複写機とITサービスを企業に提供。1996年2月の設立で、売上高は3850万ドル(48億円)、従業員は185人。

コニカミノルタは、シムクエストを買収することで、企業向けのITサービス事業を強化する。同社の企業向け複写機事業(オフィスサービス)の2015年3月期の売上高は6042億円。このうち、ITサービスの売上高は510億円を占める。

企業のコスト削減圧力を背景に、複写機市場は頭打ちで、特に、機器の単品売りでは収益を稼ぎにくくなっている。このため同社では、複写機で関係を構築した企業の文書管理を効率化したり、企業内の複数の複写機を一括管理するシステムを提供するなどITサービスを強化する方針。

特に、米国のITサービス事業の規模は15年3月期に1億5000万ドル(約187億円)で、2―3年後をめどに倍増することを計画。すでに、米国の複写機販売拠点110支店のうち80%の拠点でITサービスを提供する体制を整えているが、今後も数十億円規模の企業買収を通じて強化を図る。

企業向けITサービス事業では、欧州市場も強化する。2012年5月には、フランスのセリアンズ、同年11月には、ドイツのラーバー・アンド・ マーカーをそれぞれ買収した。今後も、英国などに地域を広げるため、一段の買収を検討する。

(村井令二)