米FAA、ボーイング787の調査開始 検査記録改ざんの可能性
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この記事に書かれていることは、「従業員が業務を省略する(手を抜く)ことを目的にする不正」であり、企業が組織的に経費を削減することを目的とする組織的な不正という種類のものではないことはわかります。別の報道では、組織的な問題への指摘もあります。企業の中枢、中間管理職、現場のそれぞれへの問題が指摘されており、航空機製造業として適切な企業風土を醸成する必要があると思います。現状、多くができていないのではないかと感じます。
人的資源管理の基本的セオリーとして、航空機産業や医薬品産業の製造部門に求められる企業風土は「品質向上戦略」優先で、以下のような組織慣習の醸成が必要とされます。
重視すべき事項:
相対的に反復的かつ予見可能な行動、中長期的な視点、適度な協力・相互依存的な行動、品質に対する高度の関心、生産量に対する適度な関心、過程に対する高度の関心、リスクを避ける行動、組織目標への一体化。一般論ですが、事案の軽重を問わず事業者として不正や不祥事を追及された場合には、客観的な証拠が表に出てしまえば言い訳ができなくなることが分かっていたとしても、その事実を認める言説を表に出せない状態になりがちです。
これは、企業経営においてリスクコミュニケーションの専門性が本邦に限らず軽視されてきたことの証左だと考えます。企業における不正や不祥事のリスクコントロールは、最終的に行政などの権力主体が強硬手段をとり、不正が明らかになる蓋然性とその場合のリスクを考える必要がありますが、こうしたリスク分析に慣れている職業は、弁護士などの一部専門家に限られており、端的にいえばもっと私たちを頼ってほしいなと思っています。導入当初のバッテリー不具合で、JAL時代にも機材繰りが大混乱をして航空会社側も大変なことになったことを思い出しました。
結果として古い767に再投資して新型の座席を入れてしまったので、当時計画していた767の退役案は無くなりました。