米グーグルとニューズ、AI関連コンテンツ開発で提携=報道
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ルパート・マードックが支配するニューズコーポレーションの戦略は、各国政府と連携をしながら、グーグルなどのプラットフォームに対して、ニュース各社が共同して配信料の交渉ができるようにする(豪州)など、プラットフォームを利用しながら、売り上げをあげていこうという戦略です。
その点、自社サイトの有料課金であくまでも稼いでいこうとしているニューヨーク・タイムズやエコノミスト誌とは対象的です。
日本の新聞社でいうと読売とヤフーの関係を想起します。
今回の提携も、そうしたフレエネミーとしてのプラットフォーマーとの戦略と考えると理解しやすい。昨日にはOpenAIとFinancial Timesの提携が報じられましたが、生成AIとくにLLM開発企業とメディアとの連携が加速して行きそうな様相ですね。
ChatGPTだけでなくClaude3など高性能なLLMが次々と登場している状況を見ると、技術開発競争には限界も見えてきています。
AI開発側にとっては、ネット上のオープンデータの取り込みが一段落しつつあるでしょうし、やはり質の高いデータをどれだけ大量に確保できるかが勝負になってきているのかもしれません。(かつてのゲーム機のハード競争→ソフト競争への変遷を彷彿とさせられます)
メディア側も、こうした新たな情報チャネルとの連携を視野に入れ、新たなメディアとしての在り方を模索していくのか、これまで通りの検索エンジンベースの情報流通の在り方を維持するのか、選択を迫られる時期が来ているように思います。500-600万ドルは、LLM全盛の時代では小さい金額に見える。利用範囲が相当限定されているのではないだろうか?
にしても、昨今、コンテンツの価値が激増している。
これまではニュース中心にウェブコンテンツは、出した直後の集客・価値が大きく、ストック価値は少なかった。また、ストック価値があるものも、Googleなどからの送客に依存。だからプラットフォーマーのメディアへの支払い額はなしか極めて小さかった。一方で様々な検索からGoogleなどは収益を生み、巨額の鞘を取れた。
それが、学習にはデータが多いほどよいと変わった。またリスク観点でも、そのメディアを引用した文章が多くネット上に存在すれば、意図せずして学習してしまう。
この両面で、テック大手がメディアと契約を結ばざるを得ない状況にどんどんなっている。
OpenAI、フィナンシャル・タイムズと提携 ChatGPTで情報活用(2024/4、Impress Watch)
https://newspicks.com/news/9917576
アドビ、1分3ドルで動画コンテンツ買い取り-AIモデル構築で(2024/4、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/9836230
オープンAI、仏紙ル・モンドとスペインのプリザとライセンス契約(2024/3、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/9710380
OpenAI「Sora」が抱える厄介な問題:悪魔は「詳細なデータの中」に宿る(2024/3、BRIDGE)
https://newspicks.com/news/9737626
読売新聞、Web記事の“生成AIへの学習利用”を禁止に 利用規約を改定 スクレイピングなどもNG(2024/1、ITmedia)
https://newspicks.com/news/9497844/
オープンAI、アクセル・シュプリンガーと提携-ニュース利用で(2023/12、Bloomberg)
https://newspicks.com/news/9322815
わたしたちのコンテンツを使うなら使用料を払うべき —— 生成AIの開発を競う大手企業にRedditが要求(2023/4)
https://newspicks.com/news/8374907