【基礎から解説】営業益5割減。今テスラで起きていること
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イーロン・マスクは、EVで世界を獲りたい(世界シェアを牛耳りたい)などと思っていないのではないかと想像する。
「人類の持続可能性の追求」であり、そのうちの一つとして「人類を多惑星種にする」ことを目指している。
彼の活動は基本的にそのためのエコシステムづくりに根ざしていて、仮にその役割を他社が担うようになれば、彼はまた次の一歩を踏み出していくだけではないかと。
つまり、テスラとEVメーカー各社の比較は、イーロン・マスクにとってあまり意味をなさないのではないか。
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イーロン・マスクに見習うべきはこの「事業構想力」であり「グランドデザイン力」であると思う。
EV単体でみれば、ガソリン車よりも環境に悪いのは火を見るより明らかで、戦略的にはトヨタのが正しかった結果となりつつはある。
けれど、大きいビジョンを掲げ、政府を巻き込み、グローバルにムーブメントを起こし、新たなトレンドと産業を作った。
これはイーロン・マスクじゃなきゃできないことではなく、それほどまでに大きな絵を描き、巻き込み力があればこそできることだ。
そういう意味においては、日本のイーロン・マスクたる人材は、実はスタートアップ界隈よりも、大企業界隈にいるのではないかと思う。
(本人がそれに気づいて動けるかどうかは別にして、能力やパワー、人間関係としては)
注目のコメント
テスラは約4年ぶりに減収減益となり、営業利益率はついに5.5%と、「平凡」な自動車メーカーのような数字になりました。年始からテスラにとって向かい風なニュースが相次ぎ、最近では全世界で従業員1.5万人規模のレイオフが報じられています。そんな中で発表された2024年第1四半期の決算。改めて、同社が今どんな環境に置かれていて、何が起きているのかまとめました。
原稿に含めなかった中で個人的に気になったのが以下の発言。今日本を始めいきなり一部メディアなどが「EVオワコン説」を唱え始めています。そんな中、マスクCEOは次のような見通しを語りました。
「ご承知の通り、世界的にEVの普及率が低下しており、多くの自動車メーカーがEVから撤退し、代わりにプラグイン・ハイブリッド(PHV)を追求している。我々は、これは正しい戦略ではなく、最終的には電気自動車が市場を支配すると信じている。」米国では欧州・韓国勢、米国大手、Rivianなどの新興など多数の競合がEVを発売しており、すでにかなり一巡した高所得のアーリーアダプター層でも、テスラでなく競合車種を買うようになってシェアが下がっています。この点はなぜかあまり報道で見ないのですが、テスラのお膝元であるシリコンバレーでは体感として実はこれが一番問題なのでは、と思えます。ちなみに、テスラ以外のメーカーのEVを買った理由は、「イーロンマスクが嫌いだから」というのが結構多いです。米国では、BYDも他の中国メーカーも入っていないのに、なぜかBYDばかりが記事に登場しますね。
テスラの投資キャッシュフローの推移がどうなっているかも見るとよかったですね。AmazonやNetflixが今あるのも赤字にめげずに投資をし続けたことにあるので。
ちなみに「自動車産業は世界に散らばる工場を稼働させて、大きくて重い自動車を作って運び、売るビジネスだ。このため、販売台数の減少は即座に利益を直撃する」は?。稼働率の重要性はその通りですが、もうちょっと勉強したほうがいいのでは?