2024/4/24

【秘話】がん治療の「常識」を変えた日本発のヒット薬

NewsPicks 編集部 記者・編集者
日本の製薬会社が開発した薬が世界的に注目を集めている。
第一三共の「エンハーツ」という薬だ。
乳がんの治療で使われているほか、胃がんや肺がんの一部でも治療に使われている。
発売は2020年と比較的最近だが、すでに世界的なヒット薬に成長し、2023年度の製品売上高は3839億円に上る見通しだ。
エンハーツが大ヒットしたことで、第一三共の売上収益は1兆円を突破。「2025年度に2兆円」を目標に掲げている。
株式市場での評価も高い。売上高は武田薬品工業の方が大きいが、時価総額では第一三共が武田を抜き、国内の製薬会社でトップに立つ。
日本の上場企業の時価総額ランキングでも、第一三共は20位につけている(4月23日現在)。
エンハーツが市場の期待を集めるのは、次世代のがん治療薬として画期的な存在と言えるからだ。エンハーツがどんな薬かが分かると、がんの薬物治療の現在地とこれからが見えてくる。
日本企業ががん治療の分野で生み出したイノベーションをひもといてみよう。
INDEX
  • Part1.はじまりは「毒ガス」
  • Part.2 「4個より8個」のこだわり
  • Part3. 乳がんの治療を変えた

Part1.はじまりは「毒ガス」